どうにひいき目に見ても、恋の期待できそうな猫とは思えない。老いたノラだ。
そいつ、親しく声をかけたそうにして私を見ている。向かっ腹が立つではないか。
「おーい、兄弟!女にもててるかい?」 とでも聞きたそうな風情だ。
あんたのような老い猫に言われたかねーな!俺ァまだ80代の戌年なんだぜ!
薄目して何か言ひたげ春の猫 ひよどり 一平
どうにひいき目に見ても、恋の期待できそうな猫とは思えない。老いたノラだ。
そいつ、親しく声をかけたそうにして私を見ている。向かっ腹が立つではないか。
「おーい、兄弟!女にもててるかい?」 とでも聞きたそうな風情だ。
あんたのような老い猫に言われたかねーな!俺ァまだ80代の戌年なんだぜ!
薄目して何か言ひたげ春の猫 ひよどり 一平
ここのところ10日間ほど、「インターバル速歩」ってヤツをやっている。
厳密なインターバル速歩なのかどうかは知らない。私はそのつもりで、走ったり歩いたりしている。
つまり、数十メートル歩いて、二三十メートルほど走るといういい加減なヤツだ。
結構身体には効きそうだし、なんとなく達成感もあり、しばらくは続けようと思っている。
どうせ飽きるだろうし、飽きたらまた次のことを考えればいい。そんな程度のグータラ健康法だ。
菜の花や快楽に湿る犬の鼻 ひよどり 一平
写真はオオイヌノフグリ。
春の到来を告げる可憐な花で、ヨーロッパ原産の帰化植物である。
種の形が犬の睾丸に似ているので、この命名になったとか。なんとも気の毒な花だ。
しかも、「大」の字を冠するとはなんたることか。
私は戌年生まれの男性。そのせいかどうか知らないが、このオオイヌノフグリが大好きで、機会がありさえすれば、撮ることにしている。
一般論で言えば、このオオイヌノフグリは軽めの扱いを受けていると思えてならない。
咲いている場所柄から見ても、踏んづけられる機会が多いはず。まさに気の毒だ。
斯く言う私ですら、踏まなければ移動できないことが多い。
そんな時は、「痛い、痛い」と、股間を押さえ、詫びながら歩くことにしています。
踏まるるは男の誤算いぬふぐり ひよどり 一平
私にとって馴染みの岩だが、季節によっていろいろな表情を見せてくれて楽しい。
そこに生えている植物の姿形も異なり、水面の岩影にも季節の違いが表れる。
もちろん、じっと眺める私の気持ちによっても、脳内に結ぶ岩の像は大いに異なってくるに違いない。
希望に燃えているとき、失望しているとき、悩んでいるとき、岩影はいろいろな姿を見せてくれているはず。
岩影の仄かな揺らぎ春の水 ひよどり 一平
昨日、友人の骨折りを得て、東京都港区元赤坂の迎賓館と和風別館・遊心亭を見学した。
私としては、かなり珍しい行動だった。友はありがたいもの。
此処は紀州徳川家の中屋敷があったところ。洋風の東宮御所という気運のもと、明治32年に着工し明治42年に赤坂離宮として完成した。
しかし、昭和天皇、今上天皇が一時的にご使用になった以外、あまり使用されることはなく、国立国会図書館、内閣法制局、東京オリンピック組織委員会などが使用していたとのこと。
その後、幾つかの経緯を経て、和風別館(下の写真)の建設と合わせて、現在の迎賓館赤坂離宮が完成したものらしい。
和風別館遊心亭の内部見学が、昨日の私たちの主たる目的であった。
上の写真が遊心亭。
上の写真は、茶室。
建物内部は全面的に撮影禁止となっていた。まもとに残念。
案内人がざっくりと説明してくれたが、文化的な意義よりは、モノの値段を次々と聞かされた感じ。ああ、味気なし味気なし。
「文化は高価なんだなァ」と気付かされたが、なぜ高価なのか理解できなかった。私が無知過ぎたのだ。
庭園の松。
松の氏素性は知らないが、建物や調度品などに比べ、貧弱に見えたのだが。
老松の芯にわが身を思ひけり ひよどり 一平