散歩日記XX

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連休中日は小樽(4)休憩を含む

2023-11-04 16:42:11 | 美術・アート
小樽の繁華街を通って、運河の近くまで行く。

■ungaplus gallery「北前船が繋ぐ寄港地の記憶-富山のガラス-」。以前、富山に出張に行ったときに「富山市ガラス美術館」の看板を見て「そうか富山はガラス押しなのか」と思っていたので興味を持って訪問した次第。5人の作家のグループ展兼販売という感じなので、あまり展覧会らしさは感じなかった。



続いて手宮線跡を通って、市立小樽美術館・文学館の建物へ。



これも冬は仕舞っておくみたいだしなと撮影。



歩き疲れたのと腰が痛いため、まずは文学館のJ・Jカフェで休憩。コーヒーをたっぷりと頂き、さっき買った和菓子を広げる。ピンク色のが「すあま」、黒っぽいのがきんつば、そして豆大福である。ここはあえての「すあま」を食べよう。後で分かったのだが、その昔、六つの味の「すあま」を「六味餅」として駅の売店で販売して好評を博したのだそうだ。



薄めのコーヒーにやさしい「すあま」の甘さが意外としっくりくる。それにしても「すあま」が美味しいとなると、そりゃ老人の証だな。

■市立小樽美術館「中村善策と加賀の北前船主・西谷家」。まずは善策の絵画を展示した2階から。
「落葉末の道」:小樽公園裏の風景で、いまは野球場になっている場所らしい。

その他、東京から疎開して行った信州明科が、善策にとって第2の故郷なのだそうで、この展覧会でも信州の風景画が多く展示されていた。私も先ごろ信州に行ってきたが、確かにその風景には特別山深い感じがある。そして信州の湖と小樽の海の違いはあれども、水辺の風景を入れるところは善策の作風なのだろう。

続いて、資料展示も含めた西谷家との関わりが1階展示室で紹介されていた。善策は若い時から絵画一本でやっていきたかったようだが、さすがにすぐには出来ず、西谷回漕店(後の西谷海運株式会社)にまずは就職したのだそうだ。そこで西谷氏に可愛がられ、画の修業を続けることができたらしい。

工藤三郎「神威之岬」:夕闇に見える岬の雰囲気が素晴らしい作品。
中村善策「マリア館のある風景」:これフォービズム入ってるね。
中村善策「国会議事堂風景」「下落合の家」:小品ではあるが、善策は都会を描かせた方がセンスある気がする。

中村善策「和田倉門付近」:植物の描き方にはその後に通じる特徴あり。
中村善策「漁村(外房太海)」:善策には珍しいあっさり描写。
中村善策「泉浜潮吹」:西谷家で善策と同じ年だった正子がスペイン風邪で逝去。その遺児である明子が結婚する時に善策が贈った絵画なのだとか。善策自身もスペイン風邪にかかり、後遺症が残ったとか、今回初めて知った逸話があった。



■市立小樽文学館「異端と正統の装丁画家 追悼・村上芳正展」。2020年に文学館で開催された村上の展覧会を見ているのと、今回展示物の撮影不可とのことで、さっと見る。原画多数なので、ファンの方は是非とも訪れるとよろしかろう。



まもなく北海道文学館で展覧会「左川ちか 黒衣の明星」が始まるが、左川ちかの人形と水彩画「ウラノ南天畑」を紹介しておこう。





さあ、そろそろ夕刻となってきた。


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