本日は市民→エッセ→大丸→芸森→三越→スカイホール→オマージュ→富士フイルム→大通→SCARTSの10か所。
■札幌市民ギャラリー「第70回記念 写真道展」。節目の展覧会ということで、なかなか見ごたえがあった。
「第52回 北海道魚拓展」もなかなか立派な展覧会だったのだが、どこまでがいわゆる魚拓なのか、もはや絵画なのか、分からない作品が多いね。
■大丸画廊「Heart of mine 小川豊展」。一時期は魚の鱗のような花びらのようなモチーフの作品ばかり(といっても色彩は様々)描いていた作者だが、ここに来ていろいろな傾向の作品が一気に花開いたような気がする。
■札幌芸術の森美術館「艾沢詳子 gathering-集積する時間」。少し気温の低い芸術の森、入口から池と工芸館を撮影。「浮かぶ彫刻・札幌」はまだ一つしか登場していないようだ。
芝生を横切って美術館へ。
結論を最初に言うと、考えさせるところのある良い展覧会だった。
美術館入口の横にも作品が展示されている。
展示作品は1985年からあり、初期作品は平面(銅版画)であった。多分、立体作品を作るようになってからしか、私は見たことがないと思う。
「種I」「種II」「種III」:前半は植物をモチーフにした作品が多い印象だ。
「Memory of water '23」:スリッパをはいて、作品の上(紙の部分)に上がって見て良いというもの。
中央に石膏の部分があって、ここは割れるから乗ってはいけないとのこと。何となく地形図のようだなと思っていたが、最後にタイトルを見て、それが正解なのだろうと思う。
「020499」:近くに寄ると草むらに積もった雪のようにも見えるのだが、遠くから見た時は「伊能図」の伊豆半島ではないかと妄想してしまった。いずれにせよ、自然によって作られる形には何らかの法則があるのかもしれない。
「110104」:これなんか完全に叢に見える。
そして近づくと菌糸類のようにも見える。
「101608」:これも同タイプの作品だが、人跡未踏の山奥という感じがある。または人類が滅びたらすぐに植物が文明の名残を消し去るのではないかと言う話があるが、それによって人の痕跡が無くなったところなのかもしれない。
「part of Earth '23」:やっと立体作品が登場した。
壁にはどう見ても人としか見えないものがならんでいる。
そう、人類の愚行は人類によって観察され、記憶されているのだ(というのは私の妄想)。
艾沢詳子、青木広宙、中坪淳彦「Where have you gone? Where will you go?」:そして人類の歩んできた道は正しかったのか。人々に光は当たっているのか?
最後に中庭に出て、展示されている作品を見る。
「Relic snow」:遠目に見てあなたが美しいと感じているものは、人の死(体)ではないのか?
哲学的な気分になりながら、美術館を出て工芸館へと向かう。ふと木を見上げると、展示がまだ続いていた。これを見ると、何だか「奇妙な果実」という言葉が想起されるよなあ。
最後までかすかな余韻を感じさせる、巧妙にして誌的な展覧会である。
■札幌芸術の森工芸館「出会い」。
工芸館を出て、芸術の森入口方面を見る。
バスで移動している時にモアイ像があったなあと思っていたのだが、帰り道でバスの中から撮影。霊園を案内するための道標になっているようだ。
■三越催事場「大黄金展」。今年の撮影可能作品は、まずミッフィーがお出迎え。キティちゃんは仕事を選ばないことで有名だが、君もかい!
白い恋人缶黄金仕様。2948万円なり。
外山寛子「春爛漫」。
この他「我が生涯に一辺の悔い無し!!」ラオウ像が319万円。うっかり購入するタワケ者がいそうだ。
■三越「金工 松本憲宣 遺作展」。2022年に急逝した作家の金工作品展だが、かなり魅力的。私が好きなのは逆ピラミッド型で表面に波紋が浮かんでいる作品。エヴァの使途にこんな奴がいそうだ。
■ギャラリーオマージュ「久藤エリコ 切り絵インスタレーション METAMORPHOSE」。小さな展示会場に密林を思わせるような切り絵展示である。もっと小さな部屋の展示を見たこともあったが、バランスの関係か、今回が最高密度のように思えた。