今週は、この3冊。
■天国の囚人/カルロス・ルイス・サフォ 2015.3.14
ぼくの人生の物語にも、きみの物語にも、ひとりの天使がいて、すべての答えをもっていると......
四部作「忘れられた本の墓場」の一冊、カルロス・ルイス・サフォンの『天国の囚人』を読みました。
すばらしい! 詩情豊かな小説です。
しかも、おもしろく夢中になり、時間を忘れます。
結末は、どんな未来が待ちかまえているのか、4作目が待たれます。
本書『天国の囚人』は「忘れられた本の墓場」の文学宇宙で交錯する四部作のひとつである。『風の影』『天使のゲーム』に続く連作は、各巻が完結、独立し、まとまった内容をもつ小説でありながら、テーマ、ストーリーをつなぐプロットを介して、たがいに結びついている。
ぼくは、この小説が出版されるたびに、購入し読みつないできました。
歳のせいか、文学宇宙の交錯がなにがなにやら曖昧模糊としていますが、完結、独立した小説として充分楽しめました。
生かしつづけてやれるように、土地の老女たちが、たびたび交替しては、病人を介抱し、強壮剤を飲ませていた。この他所者のなかには悪霊がいると女たちは言う。"良心の呵責"という悪霊がいて、魂がトンネルの終点にむかって逃げたがっている、虚無という暗黒に身を休めたがっているのだと。
天国の囚人................訳者あとがき 木村裕美
『 天国の囚人/カルロス・ルイス・サフォ/木村裕美訳/集英社文庫 』
■ヒゲのウヰスキー誕生す/川又一英 2015.3.14
『私の履歴書/経済人11/竹鶴政孝』
『ウイスキーと私/竹鶴政孝/NHK出版』
『ヒゲのウヰスキー誕生す』
エマとは、一体だれなのだ?
3冊の本を読んできて、不思議に思うことがあります。
それは、NHK朝の連ドラ「マッサン」の「亀山エマ」のモデルは、一体誰なのか、ということです。
ウィキペディアの「竹鶴政孝」には、こんな記述があります。
1930年に山口房子(後に改名してリマとなる)を養女としていたが、成長したリマと夫妻との関係は次第に悪くなっていき、リタの晩年になるまで関係は修復されなかった。その為、自伝などにも養子としては威のこと以外は触れられていない。
リマのことは「ヒゲのウヰスキー誕生す」にも一切ありませんでした。
なお、この本は「ウイスキーと私/竹鶴政孝」にそって記述されています。
脚本家にとっては、資料がないほうが想像上の人物を配し、自在にドラマを展開しやすいのでしょう。
ドラマですから、事実と違っても構わないのですが、気になるところもありました。
「嫁と舅」の問題は、マッサンのドラマより「現実のほうがずっと先を行っていた」ような気がしましす。
政孝の母は、リタとの結婚をあんなにも執拗に反対しなかったようにもうかがえました。
また、エリーが、エマに彼女の最初の婚約者について告白する部分があり、ドラマでは、「この話は、マッサンも知らない、エマが初めて」と話すのですが、実際には、政孝には、結婚するときに、「きちんと話していた」、ということです。
エマは、赤ちゃんの時に、マッサンとエリーの養子のもらわれてくるのですが、実際のリマは、......
リマの情報1.................ヒロムの気になる芸能ニュース!
リマの情報2.................マッサンの子供、竹鶴リマって?
『 ヒゲのウヰスキー誕生す/川又一英/新潮文庫 』
■ヒゲのウヰスキー誕生す/川又一英 2015.3.14
中村文則さんの作品は、『去年の冬、きみと別れ』と2014年4月に『掏摸』(2010年大江健三郎賞)を読みました。
今度は、『教団X』を読もうと思っていますが、その前に、次の本を読んで中村さんの作品の傾向を理解したいと思いました。
『遮光』 2004年/野間文芸新人賞
『土の中の子供』 2005年/芥川賞
『遮光』は、夢も希望もない荒涼たる心の世界だった。
ぼくにとっては、大変、後味の悪い物語でした。
中村さんは、「文庫解説にかえて」で、次のように述べています。
暗い小説であるし、なかなか癖もあるので、あまりこういう小説を読んだことのない方は、驚かれたかもしれない。受け付けなかった人には、小説というものが平均化されていく現代において、こういう小説もあるのだと認識してくださればと、..........。
中村さんにとっては、『遮光』をとっても大切な小説のようです。
僕の作家としての時間は、本当にデビュー作と『遮光』によって始まったのだと、改めて思った次第である。
『 ヒゲのウヰスキー誕生す/川又一英/新潮文庫 』
■天国の囚人/カルロス・ルイス・サフォ 2015.3.14
ぼくの人生の物語にも、きみの物語にも、ひとりの天使がいて、すべての答えをもっていると......
四部作「忘れられた本の墓場」の一冊、カルロス・ルイス・サフォンの『天国の囚人』を読みました。
すばらしい! 詩情豊かな小説です。
しかも、おもしろく夢中になり、時間を忘れます。
結末は、どんな未来が待ちかまえているのか、4作目が待たれます。
本書『天国の囚人』は「忘れられた本の墓場」の文学宇宙で交錯する四部作のひとつである。『風の影』『天使のゲーム』に続く連作は、各巻が完結、独立し、まとまった内容をもつ小説でありながら、テーマ、ストーリーをつなぐプロットを介して、たがいに結びついている。
ぼくは、この小説が出版されるたびに、購入し読みつないできました。
歳のせいか、文学宇宙の交錯がなにがなにやら曖昧模糊としていますが、完結、独立した小説として充分楽しめました。
生かしつづけてやれるように、土地の老女たちが、たびたび交替しては、病人を介抱し、強壮剤を飲ませていた。この他所者のなかには悪霊がいると女たちは言う。"良心の呵責"という悪霊がいて、魂がトンネルの終点にむかって逃げたがっている、虚無という暗黒に身を休めたがっているのだと。
天国の囚人................訳者あとがき 木村裕美
『 天国の囚人/カルロス・ルイス・サフォ/木村裕美訳/集英社文庫 』
■ヒゲのウヰスキー誕生す/川又一英 2015.3.14
『私の履歴書/経済人11/竹鶴政孝』
『ウイスキーと私/竹鶴政孝/NHK出版』
『ヒゲのウヰスキー誕生す』
エマとは、一体だれなのだ?
3冊の本を読んできて、不思議に思うことがあります。
それは、NHK朝の連ドラ「マッサン」の「亀山エマ」のモデルは、一体誰なのか、ということです。
ウィキペディアの「竹鶴政孝」には、こんな記述があります。
1930年に山口房子(後に改名してリマとなる)を養女としていたが、成長したリマと夫妻との関係は次第に悪くなっていき、リタの晩年になるまで関係は修復されなかった。その為、自伝などにも養子としては威のこと以外は触れられていない。
リマのことは「ヒゲのウヰスキー誕生す」にも一切ありませんでした。
なお、この本は「ウイスキーと私/竹鶴政孝」にそって記述されています。
脚本家にとっては、資料がないほうが想像上の人物を配し、自在にドラマを展開しやすいのでしょう。
ドラマですから、事実と違っても構わないのですが、気になるところもありました。
「嫁と舅」の問題は、マッサンのドラマより「現実のほうがずっと先を行っていた」ような気がしましす。
政孝の母は、リタとの結婚をあんなにも執拗に反対しなかったようにもうかがえました。
また、エリーが、エマに彼女の最初の婚約者について告白する部分があり、ドラマでは、「この話は、マッサンも知らない、エマが初めて」と話すのですが、実際には、政孝には、結婚するときに、「きちんと話していた」、ということです。
エマは、赤ちゃんの時に、マッサンとエリーの養子のもらわれてくるのですが、実際のリマは、......
リマの情報1.................ヒロムの気になる芸能ニュース!
リマの情報2.................マッサンの子供、竹鶴リマって?
『 ヒゲのウヰスキー誕生す/川又一英/新潮文庫 』
■ヒゲのウヰスキー誕生す/川又一英 2015.3.14
中村文則さんの作品は、『去年の冬、きみと別れ』と2014年4月に『掏摸』(2010年大江健三郎賞)を読みました。
今度は、『教団X』を読もうと思っていますが、その前に、次の本を読んで中村さんの作品の傾向を理解したいと思いました。
『遮光』 2004年/野間文芸新人賞
『土の中の子供』 2005年/芥川賞
『遮光』は、夢も希望もない荒涼たる心の世界だった。
ぼくにとっては、大変、後味の悪い物語でした。
中村さんは、「文庫解説にかえて」で、次のように述べています。
暗い小説であるし、なかなか癖もあるので、あまりこういう小説を読んだことのない方は、驚かれたかもしれない。受け付けなかった人には、小説というものが平均化されていく現代において、こういう小説もあるのだと認識してくださればと、..........。
中村さんにとっては、『遮光』をとっても大切な小説のようです。
僕の作家としての時間は、本当にデビュー作と『遮光』によって始まったのだと、改めて思った次第である。
『 ヒゲのウヰスキー誕生す/川又一英/新潮文庫 』
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