ゆめ未来     

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五芒星の形に並べられた蝋燭とフクロウの羽根は、何の象徴か フクロウの囁き

2021年06月28日 | もう一冊読んでみた
オスロ警察殺人捜査課特別班 フクロウの囁き/サムエル・ビョルク    2021.6.28  

オスロ警察殺人捜査課特別班の2作目、『フクロウの囁き』 を読みました。
p600のミステリでしたが、スラスラと読めたので、あまり時間が掛かりませんでした。
面白いのですが、ぼくには感動がいまいち。

ミア・クリューゲルの落ち込みというか、要するに、グダグダ。
つき合わされました。 慣れました。
ムンクは、ムンク。あいも変わらず暗い。

 お願いです。牧師さん、力を貸してはいただけないでしょうか。ふたりはそう懇願した。
 迷う素振りはしたものの、牧師の心はすでに決まっていた。若者が机の上にそっと置いた封筒のせいでもあったが、若い恋人たちを助けてやりたい気がしたのだ。海運王の言いつけはあまりにも理不尽ではないか。牧師は願いを聞き入れ、翌週、扉を閉ざした教会の立派な祭壇画の前でささやかな式を執りおこない、若いふたりを結婚させた。


 ミア・月の光。
 おまえは特別な子なんだよ。わかるかい? ほかの子たちもいいけど、おまえにはものを見る目がある。ほかの人が見逃してしまうことも、おまえには見えるんだね。
 血のつながりこそなかったが、祖母は実の孫のように愛してくれた。シグリとミア。ミアとシグリ。ふたりを産んだ若い母親は子供を育てることが難しく、それを望んでもいなかった。それで中年夫婦のエーヴァとヒッレの養子として迎えられた。


 「なんだよ、シッセ、びびらせんなよ。誰をころしたって?」
 シグリを。
 また後悔が押し寄せる。
 ずっとまえに来るべきだった。


 「ここは規則がとても厳しいんです。それを好む子もいれば、嫌う子もいる。でもここでの生活はそうと決められています。なにかを得るには、犠牲にしなければならないこともあります。そうでしょう?」

 「性魔術?」
 ラーセンがまたうっすら笑う。「ああ」
 「具体的にはどんなことを?」
 「たとえば、覆面の老評議員たちの前で服を脱いで、セレマの法に従わされるとか」
 「評議員?」
 「ああ、皮肉なものだろう? 支配からの自由を謳っておきながら、結局はどんな教団にも支配的な組織がある。約束された自由などないんだ。あるはずがない」



  『 オスロ警察殺人捜査課特別班 フクロウの囁き/サムエル・ビョルク/中谷友紀子訳/ディスカヴアー文庫 』


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