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ガラパゴス ノンフィクションを思わせる社会派ミステリー

2017年05月01日 | もう一冊読んでみた
ガラパゴス(上・下)/相場英雄  2017.5.1

 「しかし、働くってのはそんなに難しいことなのか?」
 「働きたい、単純にそう思うことがこんなに面倒なご時世になっているとは考えもしなかったよ」
 「普通に働き、普通にメシが食えて、普通に家族と過ごす。こんな当たり前のことが難しくなった世の中って、どこか狂っていないか?」


一生懸命働き、お金を貯めて幸せになりたい。
こんなささやかな思いさえ、努力して、がんばっても実現を阻む現実が、今の日本の社会にはあります。

ノンフィクションを読んでいるようなミステリーでした。
日本の労働界の過酷な現状を告発するルポルタージュとして 『ガラパゴス』 を読みました。

『2017年版 このミステリーがすごい!』 国内編第19位ですが、19位とは思えない面白さです。
ミステリーは娯楽です。重たい内容のものは、敬遠されがちなのでしょう。
それが、この順位になった原因かも知れません。
それでも、ぼくには面白いミステリーでした。

そんな結果を招いたのも自己責任、本人の努力不足だよ、いよいよ働き方のスタイルが自由に選べる、努力が報われる社会の到来..........どんなに努力しても報われない人々がいるという、過酷な現実はある。

派遣労働者の扱いは。

 <派遣労働者にかかるコストは人件費ではありません>
 <部品以下かもしれませんね>

 外注加工費
 我々は部品や備品と同じ扱いで、足りなくなった分を補うという意味で外注の加工費としてカウントされているのです。部品以下かも知れませんね


経営者の努力。

 「いいか、鳥居。運ってのはな、自分で作るもんだ。結果的に運が良かったって言っとる奴はたわけだ。自分で流れを作って、運気を強引にでも惹き寄せる。それがビジネスだがね」

 <ビジネスチャンスだと思えば、どんなリスクを取ってもでも利益を取りに行くのが企業のトップの仕事だ>


このミステリーには、東海地方の都市がたくさん出てきます。
特に岐阜が多かったように感じました。美濃加茂市、海津市など。
三重県では亀山も出てきます。

そんななかで、面白かったのは千代保稲荷神社(ちよぼいなりじんじゃ)が出てきました。
岐阜の人は、ご存じの方が多いと思われます。
「おちょぼさん」の愛称で親しまれているお稲荷さんですが、全国的な知名度はいかがでしょうか。

 「千代保稲荷神社(ちよぼいなりじんじゃ)は、岐阜県海津市平田町三郷1980にある稲荷神社である。京都の伏見稲荷、愛知の豊川稲荷とともに、日本三大稲荷の一つともいわれることもある。(Wikipedia)」

先日、NHK「ドキュメント72時間 2017.3.3」で放送されました。

  黄金の串カツに願いを

小説の中のこんな車が、市場に出回るとも思えないのですが..........。

 里美が言った通り、足元がバタつく。さらにボディの剛性感がかなり低いと感じた。車体が撓むことで、乗り心地を一層悪くしているのは田川のような素人にも分かった。線路沿いの道路が、緩やかな下りの右カーブへと差し掛かった。自然とエクセスLの速度が上がると、乗り心地はさらに悪化した。車体が軋む感覚に襲われ、シートの縁を押さえてしまう。

    『 ガラパゴス(上・下)/相場英雄/小学館 』


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