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静かな炎天 テンポ良く展開される短編の数々

2017年04月17日 | もう一冊読んでみた
静かな炎天/若竹七海  2017.4.17

『2017年版 このミステリーがすごい!』 国内編第2位は 『静かな炎天』 です。

短編ですから、長編のようにもたもたしていられない、話はテンポ良く展開されて小気味よい。
話の面白さに堪能しました。
ミステリーに関する話題が豊富です。
「富山店長のミステリ紹介ふたたび」など簡単な解題となっており、教えられたり、記憶が刺激されたり、読んで楽しく飽きません。
その他いろいろ興味深いことも書かれていました。

ぼくは、「空き巣」は知っていたが、「居空き」は知りませんでした。

  【居空き(いあき)

空き巣(あきす)とは、窃盗の手口の一つで、家人が留守中の家屋に侵入して金品を盗むこと、又はそれを行う者のことをいう。 空巣狙い(あきすねらい)ともいう。 これとは逆に、家人が在宅中の家屋に忍び込んで金品を盗むこと、又はそれを行う者のことを、居空き(いあき)という。(Wikipedia)

ミステリーには、ウイスキーがお似合いです。
それとなく顔を出します。

昔から“惚れ込むか、大嫌いになるかのどちらか” と評されてきた、ラフロイグ。
“アイラモルトの王”とさえ呼ばれ、 世界で最も愛されているアイラモルトである。


人間の探究心は、とどまるところ知らず、でしょうか。

 「窒息プレイ。自分で自分の首を絞めて、性的な快感を得る遊びだそうですね。一説に寄れば、アメリカでは毎年千二百人程度がそれで死んでいるとか。」
 「日本にもけっこうな数の愛好者がいるそうですよ。ただ、知り合いの法医学者によれば、そういう不適切な死を迎えても、発見した家族が痕跡を消すので自殺扱いになることも多いそうです。」


それは、そうでしょうね。

最初、この文章に行き当たったときは、何かの間違いかと思ったが.......

 工藤不動産は古い二階建ての店で、店頭に並ぶ物件情報の紙が日に焼けている。窓や屋根の上にさびた電子レンジが十以上もずらりと並んでいた。
 工藤靖生が読ん
でいた文庫本のタイトルが目についた。C・G・ユングの『空飛ぶ円盤』。ポロシャツの胸には<IハートマークUFO>の缶バッジがついている。


以上、このミステリーの雰囲気がつかめたでしょうか。

6編の短編の中で、ぼくは「青い影」が一番好きです。
人間は、どこまで邪悪になれるのか、白日の下にさらされているからです。
「熱海ブライトン・ロック」は、二番目に。「 「宇宙戦艦ヤマト」をつくった男 西崎義展の狂気 」を思い出しながら読みました。

    『 静かな炎天/若竹七海/文春文庫 』


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