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終わりなき道 大部なミステリーだが飽きることもなく

2017年04月24日 | もう一冊読んでみた
終わりなき道/ジョン・ハート

『2017年版 このミステリーがすごい!』 海外編第14位でした。

2段組 p577と大部なミステリーですが、倦かずに、順調に最後まで読み切ることが出来ました。
連続殺人鬼は、誰なのか、拷問をしてでも知りたかった秘密とは何なのか。
疑問が読者をぐいぐいと引っ張っていきます。

13年の長きにわたって、繰り返される凄惨な拷問。

 刑務所ってところは人間を一回壊し、まったくべつのものに作りかえてしまうところなんだ。それが証拠に、やつの顔を見てみろ

卑劣で執拗なレイプ

 「同じことを何度も何度も言われるうち、あいつの言葉を真に受けそうになった。あたしはああいうことをされても当然なんだって。そのうち、死なせてほしいとこっちから頼むようになる、そしてさんざん泣きついた末にようやく死なせてもらえるんだって」

自分を拷問した刑務所所長や看守に復讐を誓う

 「忘れることと乗り越えることは同じではありませんよ

 「場合によっては法よりも正義のほうが大事なこともあるんだよ」

血なまぐさい暴力行為、人殺し、射殺のミステリーですが、こんな詩的な文章も。

 「ひらめき(インスピレーション)という言葉の意味と由来は知っている?」
 「中世の暗黒時代には、一部の人間を特別な存在にしているもの、たとえば想像力とか独創性とか洞察力といったものが理解されていなかったの。..........土にまみれてあくせく働き、若くして病死した。そんなつらく悲惨な時代の人たちは誰もが同じ限界に直面していたけれど、なかにはまったくちがうものの見方ができる、稀有な人たちもいたの。詩人、発明家、芸術家、石工などがそうよ。普通の人には彼らが理解できなかった。目が覚めたら、世の中がちがって見えるなんて理解できなかったの。そういう才能は神からの贈り物とされた。そして、ひらめき(インスピレーション)という言葉が生まれた。”心に息を吹きこまれる”というのが語源よ」


そして..........

 彼は愛のために耐えた。
 と同時に、憎しみゆえに耐えた。

 「ごまかさないでくださいよ、警部。人間は誰もが、よろいをまとっているんです。誰だってよろいが必要なんですよ」


 『 終わりなき道/ジョン・ハート/東野さやか訳/ハヤカワ・ミステリ 』

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