ゆめ未来     

遊びをせんとや生れけむ....
好きなことを、心から楽しもうよ。
しなやかに、のびやかに毎日を過ごそう。

スクイズ・プレー/ポール・ベンジャミン

2023年02月13日 | もう一冊読んでみた
スクイズ・プレー 2023.2.13

このミステリーがすごい! 2023年版
海外編9位 スクイズ・プレー/ポール・ベンジャミン
      /田口俊樹訳/新潮文庫


地味なミステリーだった。
読んでいて不思議に思ったのは、私立探偵マックス・クラインはどんな窮地に陥っても、決して恐怖を感じないことでした。

 「失うかもしれないものとしてあなたにも人生がある。なのにどうしてそれほどよく知らない人のために命を懸けるような真似までするの?
 「それは彼らが私を必要としているからさ。自分たちだけでは解決できない問題を抱えてるからさ




 才能ある者や美しい者は常に賛美される。

 悲劇はスターを人間にする。

 探偵稼業というのは汚れ仕事だ。

 注意散漫だと、他人の人生の迷宮に入り込んだあと、出口が見つからなくなることがよくある。しかし、それは端から覚悟しなければならないことだ。他人の人生と関わりながら、まっすぐな道を望むのは望みすぎというもんだ。

 アスリートが遠征に出るとどんなふうになるか。ジョージにもあらゆる市(まち)に女がいた。

 彼女の眼のまわりに疲れが読み取れ、かえってほっとした。彼女の疲れは彼女もまた今日という日を過ごしたしるしであり、お互い同じ場所で人生を旅している証だった。三十年後、われわれはどんなふうになってえるのだろう? ふとそんなことを思った。

 自分に自信の持てない人間の常として、彼もまた自分の人生を肯定する必要を常に感じているのだろう。刺激的で、人も羨む人生を送っていると、人に伝えずにはいられないのだろう。

 現代人の生活におけるひとつの事実。人はみな電話に出ることを神聖な義務と考えている。だから情熱的なセックスも口論も中断して、電話という至上に従おうとする。

 われわれは他人の一部だけを知ることに慣れすぎている。互いに接点ができた一部だけを知ることに。そういう相手は眼のまえから姿を消せば、それだけでもう存在すらしなくなる。

 「死がシンプルであることは決してないよ

 『 スクイズ・プレー/ポール・ベンジャミン/田口俊樹訳/新潮文庫 』



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日経平均、今週も膠着感の強... | トップ | ピエール・ルドン シス »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

もう一冊読んでみた」カテゴリの最新記事