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ブラックサマーの殺人/M・W・クレイヴン

2022年10月24日 | もう一冊読んでみた
ブラックサマーの殺人 2022.10.24

M・W・クレイヴン 『 ブラックサマーの殺人 』 を読みました。

おもしろいミステリでした。
邪悪で天才的シェフの物語だった。
物語の中でいろいろな料理が出て来るのも、ぼくには興味深かった。
クレイヴンの前作 『 ストーンサークルの殺人 』 は、まだ未読。
読むのが楽しみです。



 「大変なことになった、ポー

 「それに、妊娠していないのを確認したかったと言うこのもあります」リグはつけくわえた。
 「レイプ犯の赤ん坊を身ごもるのは、被害者にとって忌まわしすぎますからね」
 ポーは思わず顔をしかめた。彼の母親はまさしくその被害者だった。


 自分で真相をたしかめてもなお、長年正しいと思ってきたことと決別するのはむずかしかった。なにしろ、裏づけるものがなにもないのに、必死に正当化したくらいだ。

 「どうしてそんなに敵を作るのか、わたしにはさっぱりわからん」
 「ポーだからですよ、部長」フリンは言った。「そういう人と友だちになりやすいです」


 「十年近く前、わたしのワイン業者がフランスのワイナリーで見つけてきたのだよ。安くはなかったが、人生における最良のものは、どれもそういうものだ
 ポーは言うべき言葉が見つからず、ふたりのあいだに不穏な沈黙が流れた。


  『 ブラックサマーの殺人/M・W・クレイヴン/東野さやか訳/ハヤカワ・ミステリ文庫 』



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