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これは十八年前に決まっていた宿命なのだ 死亡通知書

2021年03月22日 | もう一冊読んでみた
死亡通知書 暗黒者/周浩暉    2020.3.22    

2021年版 このミステリーがすごい! 海外編 第4位

死亡通知書 暗黒者』 を読みました。

面白い。すごくおもしろい。

エウメニデス” は、何者なのだ。
曖昧模糊として何も分からない、謎。
明らかになると、これが驚愕の人生。

クロース・プロテクション・オフィサーとボデーガードに、二重にも三重にもガッチリ守られている処刑対象、ドン・ホワをエウメニデスは、いかなる方法で暗殺するのか?
読む前に推理するのだが、これが、また、メチャメチャ楽しい。
大いに堪能しました。

華文ミステリは、登場人物の名前の読みが難しい。
ぼくは、それぞれの人物を、(ルオ・フェイ)飛、(ジョン・ハオミン)明、(ハン・ハオ)韓、(ゾン・リーホワ)日華などと読み替えました。
名前と文章がゴツゴツした感じで、リズムに乗りにくかった。 少々読みくたびれた。

三部作の「その一」とのこと。
以後の翻訳出版が楽しみです。

    興味のある方は、どうぞ



 恐れは直視することだ。真に恐ろしい敵だけが、そのすばらしい感情を与えてくれるのだから。

 そうした親はしょっちゅう目にしている。------当人は益のない気苦労ばかりの人生でなにも成せず、希望のすべてを下の世代に託すしかない連中。だが、自分の人生すらうまく切り回せないのに、他人をどうこうできるものか。だから、そういうやつらは家庭内の教育でもだいたい失敗する。

 「“エウメニデス”、中国語で言うなら“欧墨尼得斯”といったところで、ギリシャ神話の復讐の女神の名前なの。言い伝えでは、エウメニデスは重い罪を犯した人間のあとを追い、罪人がどこにいようと追い詰め、罪人たちの良心を悔恨でさいなみ、最後には自分の犯した罪の代価を払わせる」

 一度考えだすと際限のないことというのは存在する。

  相手が事件の元凶だと確かめると、男は彼らを縛る縄を解いた。“もう一度機会をやろう”------どの場面もそれが最後の台詞だったが、一人として“機会”を生かすことはなかった。
 彼らは、“機会”を生かそうとする欲求のかけらすらも見せなかった。手足が自由を取りもどすと、いっさいの例外なく縮こまり、怖気づいた雀のように命を奪う一撃を待っていた。


 他人の言葉に答えられないときは、反対に質問するのが得てして攻守を逆転させるための最善の方法となる。


    『 死亡通知書 暗黒者/周浩暉/稲村文吾訳/ハヤカワ・ミステリ 』

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