BELOVED

好きな漫画やBL小説の二次小説を書いています。
作者様・出版社様とは一切関係ありません。

かたちあるもの 第1話

2024年11月19日 | 黒執事 腐向け現代転生オメガバースパラレル二次創作小説「かたちあるもの」
「黒執事」二次小説です。

作者様・出版社様とは一切関係ありません。

一部暴力・残酷描写有りです、苦手な方はご注意ください。

オメガバース・二次創作が苦手な方はご注意ください。

二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。

性描写が含まれます、苦手な方はご注意ください。

―坊ちゃん。
何処かで、自分を呼ぶ声がする。
懐かしく、優しい声。
―坊ちゃん
嗚呼、何も見えない。
何も・・
「シエル、起きて。」
「ん・・」
「もうすぐ、“礼拝”の時間だよ。遅れると、マザーに怒られるよ。」
「わかった・・」
双子の兄・ジェイドに揺り起こされ、シエルは欠伸を噛み殺しながら、ベッドから起き上がった。
寝間着から、“制服”に着替えた二人は、宛がわれた部屋から出て、“礼拝”が行われる講堂へと向かった。
そこには、黒地に金糸を刺繍されたローブを纏った男女が集まっていた。
「皆さん、お集まり頂き、ありがとうございます。」
講堂に現れたのは、真紅のローブ姿の女だった。
彼女は、“ポラリスの里”代表・マーガレットだった。
マーガレットは、シエルとジェイドをちらりと見た後、信者達にこう告げた。
「今日は、特別な日―聖母様がこの世に降臨した日です。」
「おぉ・・」
「さぁ、祈りましょう!」
讃美歌の歌声を聴きながら、マーガレットは目を閉じた。
「呼ばれた者は、後でわたくしの部屋に来なさい。」
マーガレットは、“礼拝”の後、数人の信者達を自室へと呼んだ。
そこで何が行われているのかを、シエル達は知っていた。
「シエル、ジェイド、こんな所に居たのね。」
「シスター・・」
信者の中には、未成年の信者の世話を務める“シスター”が居た。
「さぁ、あなた達は“紫の間”に入りなさい。」
「はい・・」
シエルとジェイドが“紫の間”に入ると、そこには椅子に手足を縛りつけられた太った男の姿があった。
「こいつが、あなた達の両親を殺した男ね?」
二人は、“シスター”の言葉に頷いた。
やがて、部屋にゴーグルとゴム長の手袋、そして特殊なエプロンをつけた長身の男が入って来た。
男が運んで来たのは、様々な種類の拷問道具だった。
「さぁ、この男に罰を与えなさい。」
男は徐に、ミートハンマーを握って、猿轡を噛まされた太った男に近づいた。
「この男の何処を潰されて欲しいですか?」
二人は、太った男の股間を指した。
「わかりました。」
ミートハンマーを持った男は、太った男の股間に向かって躊躇いなくそれを振り下ろした。
くぐもった呻き声と共に、肉が潰れる音がした。
「後始末はわたし達がします。あなた達は部屋に戻りなさい。」
「はい・・」
ジェイドは、弟の様子が少しおかしい事に気づいた。
「シエル、大丈夫?」
「うん・・」
喘息の発作を起こしかけたシエルは、ジェイドに部屋に介抱された。
「今、薬を持って来るから、休んでいるんだよ。」
「うん・・」
暫くシエルがベッドに横になっていると、誰かが部屋に入って来る気配がした。
「兄さま・・」
「坊ちゃん。」
頭上から響いた、美しいバリトンの声を聞いた途端、シエルは全身が動かなくなった。
「あ・・」
「シエル。」
シエルがゆっくりと目を開けると、そこには“紫の間”に居た男が立っていた。
「漸く会えましたね。」
男―セバスチャンは、そう言うとシエルの唇を塞いだ。
「あ・・」
「大丈夫、優しくしますよ。」
セバスチャンはシエルの唇を貪りながら、彼のローブを脱がしていった。
「愛しています、シエル・・わたしの愛しのΩ・・」
「シエル・・」

部屋の中から弟の嬌声を聞いたジェイドは、拳を握り締めた。

「シエルは、僕だけのものなのに・・」

僕だけの、Ωなのに―


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