3月26、27日に、佐賀県保険医協会の役員一泊勉強会が嬉野で行われました。
テーマは、“保険診療で予防歯科をできるようにするには?”でした。
現在は、保険診療で予防歯科は原則的に認められていません。これは、我が国の医療保険は、疾病保険であるために、病気になった人のためのシステムだからです。つまり、“病気になったらお金がかかって困るので、病気になっていない人や、病気でないときに出し合ったお金を、病気の人に使う”という保険であるからです。
歯科の主な疾患は虫歯、歯周病と不正咬合(歯並び不良)です。これらは、虫歯と歯周炎はほぼ完全に予防可能な疾患で、不正咬合もかなり予防できます。その為、歯科疾患は、病気になる前に予防をしておくことが、非常に効果的であります。しかし、この予防が保険で認められていないのです。保険で、予防歯科ができれば、多くの人が虫歯や歯周炎で悩むことはなくなるのです(写真参照)
予防歯科にはコストがかかります。子供のフッ化物の局所応用や、大人のPMTC、口腔衛生の指導等、決して少なくないコストがかかります。現在は、このほとんどが保険で認められないため、自費診療となり、患者様は多大の自己負担を強いられることになります。
保険で予防歯科をすることが、一番患者様のためになるのは解っていますが、なかなか簡単にシステムを変えることはできないのが現状です。
私が理事を務める佐賀県保険医協会では、“保険で予防歯科を行う”というテーマに取り組んでいます。今回の勉強会でそのことをなんとか実現するために、佐賀県歯科医師会の松尾憲篤先生と全国保団連の馬場淳先生に講演をお願いいたしました。両先生ともお忙しいところ大変貴重な講演をありがとうございました。
また、私も予防歯科の効果について、講演をさせていただきました。写真は、その時のスライドです。
当院では、子供のむし歯、歯周病はもちろん不正咬合も、大人の虫歯や歯周疾患はもちろん欠損の進行もほとんど予防できます。また、患者様の経済的負担が少なくなるために、保険診療に予防歯科が導入されるための運動を続けていきたいと思います。
くらのうえ市丸歯科 新鳥栖インプラント歯周病センター(佐賀県鳥栖市)
院長 市丸英二