法人営業に最適な『理詰めの営業』で日刊工業新聞社賞受賞の中小企業診断士 齋藤信幸の営業力強化手法 <情報デザイン>

営業自身のシンになる営業手法を確立し、自信に。営業案件の可視化と営業の行動管理を実現。特にコンプレックスセールスに最適。

新人営業の教科書 (11)- 営業に必要なスキルの体系化 - 営業に必要な知識 - ④ 「顧客に関する知識」の続き - 業界情報

2024-07-14 10:13:42 | 新人営業の教科書
今週は、顧客基礎情報収集なかの「業界情報」の話です。

顧客が属する業界に関する学会誌・業界紙や日ごろの営業活動の中での情報収集から、業界としての技術トレンドや課題、大きな潮流などを把握しておきましょう。

新人営業から「もうお腹いっぱいです」との声が聞こえてきそうですが、この一週間でやれという話ではなく、この先、営業という仕事を続ける上での行動指針(『理詰めの営業』のベース)の一つと考えていただければと思います。

まずは、業界における当該顧客の位置づけ。

トップを走っているのか、二番手か。

また、技術トレンドや課題に関して、当該顧客がどう対応しているか、それがあなたの会社の事業に結び付くのか、つかないのか・・・・・

直近の案件のためだけでなく、営業トークのタネ、あるいは、中長期的なビジョン作成のためと考えていただいてもよいかと思います。

例えば、今週、訪問した自動車メーカーでの話。

電気自動車に関して下調べをした上で・・・・

CO2の発生を抑えるためガソリン車の販売が近い将来禁止され、電気自動車に代わる。関連するガソリンエンジンなどの部品は不要に。ガソリンスタンドも不要に。すり合わせ技術が不用となり、だれでも自動車を作れるようになる。

ここまでは、マスコミや本でしばしば取り上げられていますね。

今週、お訪ねした自動車メーカーさんでは、すでに実際に電気自動車を販売しており、そこでのお困りの点は・・・・・・

・充電設備の設置に関し、電気設備の追加が必要なためビル側との交渉が難航
(社有車やマンション住民の車の充電はどうするのか?)

・大量のバッテリーを積んでいるため車の重量は2トン半ほどに。機械式駐車場に負荷がかかりすぎて、故障の原因になる。あるいは機械式駐車場は使用不可に。
(米国では機械式駐車場はあまり使われないため問題にならない。機械の補強は可能か。それとも置き換えか?)

顧客をヒアリングしながら、次の飯の種が考えられそうですね。

顧客基礎情報は、顧客の全体像を把握し、今回の投資の確度の分析や関係者の洗い出し、あるいは顧客の選択等(営業として本格攻勢をかけるか否か)に活用します。

これらの情報の収集・分析の一部は、マーケティングの仕事ですが、マーケティング部のない企業では、営業が積極的かつ日常的に行わなければなりません。

実際のところ、営業が個人的にこれらの情報をすべて収集するのは不可能に近いと言えます。

また、タダで入手できる情報には限界があります。業界に精通したマーケティング会社から情報を買うなど会社としての対応も必要です。

まずは、自分の顧客のHPを調査するところから着手してみましょう。

最近の私の訪問事例では、初めてお会いする社長の略歴をLinkedInで調査し、会議のストーリー作りに役立てました。

LinkedInは個人のPRのツールであり、会社のHPからは分からない社長の略歴や社長個人としての実績、人柄を知ることができました。
(「LinkedInを見てから会議にきてね」と他の出席者に言ったのにも関わらず、見てこない出席者達。がっかりしますね。「意外と」ではなく「本当に」皆、準備してこない!)

勉強や準備を怠る先輩たちを追い抜く日は近いです!!!

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