翌、日曜日は、新宿三丁目の銅鑼で《田部フレンズ》がLIVE に出演する日でした。
まあ、一般的には《哲楽団》の出演する日、と言った方が分かりやすく、《田部フレンズ》は《哲楽団》のタイバンでありました。
銅鑼LIVE のメインバンドである《哲楽団》が13時からスタート。《田部フレンズ》が13:45からスタート。40~45分ずつ交代でやって、最後は《哲楽団》が16:30までやって終わり、という仕組みです。
《田部フレンズ》については、こちらをどうぞ。→
http://homepage.mac.com/masayoshitabe/TradJazz.htm
近頃、ますますMarty Grosz やPeter Ecklund のレパートリーが多くなって来ました。もっぱら、リーダーの田部さんの好みの曲を並べていますが、私にとっても、Marty Grosz と彼の周辺のプレイヤーのコンボのサウンドが、最もなじみもあり、いくら聴いてもあきない、つまり自分にとっての理想の一つの形です。
でも、バンドとしては特徴も変化も出さないといけないので「Tiger Rag をやって下さい」との命が下ると「ラジャー!」と言って、鍵盤ヒジ打ちでトラの咆哮を弾いております。
さて、タイバンの《哲楽団》
お楽しみバンドと違って、これでシーメを食っている方々の出演でございます。
前日から、リズム、ビート感、発音の形など、タイミングに関して大きな悩みを抱える私としましては、「皆さん、どうやってるんだろう?」と興味津々であります。
クラシックの演奏家は「プロのジャズ・プレイヤーは完璧にテンポをキープして演奏する」と信じているところがありますが、ジャズ・プレイヤーも歌わせている以上、テンポキープ至上主義ではなく、走ったり遅れたりもします。でも一番肝心なところは、聴き合って協調しながら”スウィング” することです。
”スウィング” するには、後ろ髪を引かれていくようではダメで、むしろ前髪を引っ張っていく感覚があります。
メロディを担当する管楽器は、ピアノ、ギター、ベース、ドラム等のリズム隊に乗っかって行く形なので、絶えず引率、牽引している訳ではありません。リズム隊は、ドラムがいればやはりドラムに支配されます。
この日の《哲楽団》のドラム、日高さんをじっと見ていました。日高さんは、決して「オレが一番」というタイプではなく、全体のサウンドに気配りしつつ、やる時はビシッとやることで評価の高いドラマーです。
その日高さん、ブラシをスネアにペシッ、ペシッと、実に何のためらいもなく叩いていました。”美音” を創ろうとか、ビートの間隔のすきまにあるサウンドには目を(耳を)くれることもなく、ひたすら自分の感覚に何の疑いの余地もなく、頭より身体が反応している、といった感じでした。
その辺が、クラシック系の演奏家との違いかなー。頭で確認したり反芻する事なしに、『じかに』刻んでいる。Running Wild という曲があるけれど、まさにそんな感じ。
私は、どっちがどう優れているとかを言っているのではなく、立場の違いから来る感覚、表現方法、の違いの話をしています。ただ、クラシック系の演奏者でも、レパートリーの中にジャズっぽいもの、ロックっぽいものがあるなら、それを専門にやっている人たちはどうやっているか、それくらいは興味を持って知っていて欲しいな、とは思います。
本当は、その辺りの事を《哲楽団》の皆さんにじっくりと聞いてみたかったのですが、この日は両親の結婚記念日。時間ぎりぎりまでいて、お先に失礼しました。このテーマに関しては、またの機会に皆さんに伺ってみたいと思っています。
急いで帰り、予約したレストランへ。
カニ、豆乳ブタしゃぶ、石焼きステーキ・・盛りだくさんコースを両親とたいらげました。みんな元気でありがたい!
一応お揃いで着ようと思って、用意しました。
結局、何が濃かったのかよく分からなくなりましたが、私にとっては『濃い』、よくあるバタバタした週末でした。