やらせ、さくらなどいわゆる情報操作。
はじめから「これは演出です。」とすれば問題ないが
口コミ、人気ランキングなど最近は投稿者側だけでなく
サイト側もやらせ行為をするようになっている。
朝日新聞デジタル 1月28日(木)
お金払うから1位にして 「やらせランキング」実態は
「お金を払うから1位にして下さい」。
商品やサービスを紹介するランキングサイトに、
こう頼む企業が相次いでいる。
下位になった企業がサイト側を訴える事例もある。
なんでそんなことが起きるのか。
「1位5千円、
2位3千円、
3位1千円。
特別報酬キャンペーン実施します」。
神奈川県内の男性に昨年、メールが届いた。
男性は服やバッグなど身近な生活用品を実際に使って紹介するサイトを運営し、
閲覧件数は月数万件を誇る。
メールの送り主は、
サイト経由で商品が売れるたびに1430円の報酬を払うサプリ販売業者だが、
ランキング形式の紹介で
上位に掲載したら報酬を上乗せする、というのだ。
この男性のもとには職業紹介業者から「1位なら5千円にアップ」、
占い業者からは「1位で3千円から6千円」といった依頼が相次いだ。
収入が増える可能性もあったが、男性は
「自分がよいと思わない商品を
1位で紹介するのは、うそを伝えること」
と考えて依頼をすべて無視した。
ただ、「これだけ来るということは、
報酬につられるサイトがあってもおかしくない」と想像する。
男性が自身のサイトに掲載するのは、
商品が売れた場合に企業から報酬がもらえる「成功報酬型」の広告だ。
「アフィリエイト」とも呼ぶ。
広告会社などで作る日本アフィリエイト協議会(横浜市)には一昨年ごろから、
「上位掲載の依頼が来ているがどうすればいいのか」
といった内容の相談が寄せられている。
協議会は「やらせランキング」として、サイト運営者に注意を呼びかけている。
協議会によると、日本語のアフィリエイトサイトは
推計約500万あり、商品やサービスのランキングを掲載するサイトも目立つ。
企業がお金を払ってまで1位になりたがるのは
「1位と2位では販売効果が5倍以上違う」(広告会社)ほど、
商品の注目度に差が出るからだ。
米アマゾン、「やらせ」評価で提訴 投稿の1114人を
日本経済新聞2015/10/20 11:29
【ニューヨーク=共同】米インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムが、
自社のサイトに「やらせ」の商品評価(レビュー)を投稿したとして
1114人を米西部ワシントン州の裁判所に提訴したことが19日分かった。
サイトの信頼性を傷つけられたとしており、
損害額を明示しないまま賠償を求めた。
アマゾンは「やらせ」を根絶する強い意向を表明しており、
提訴が広がる可能性もある。
サイトに登録された利用者名を基に1114人を訴えているが、
1人が複数名を使い分けている可能性もある。提訴は16日付。
訴状によると、何者かが
「アマゾンのサイト上で電子書籍や商品について素晴らしいレビューを書きます」と
ネットで募集。
高評価のレビューを投稿する見返りに
商品の提供業者から1回5ドル(約600円)を受け取っていた。
高評価のレビューで顧客を引きつけようとしたとみられる。
レビューの請負は雑務の仲介専門サイトに掲示された。
米国では「ギグ」と呼ばれる雑務を扱うサイトが増えている。
アマゾンの広報担当者は共同通信に
「ほぼ全てのレビューは本物で、顧客の買い物を手助けしている」と強調。
「規約違反のレビューは削除を続ける」と述べた。
Jcastニュース2015・10・15
「参考になります」「勉強になりました」、不自然な絶賛レビュー
「電子書籍のカスタマーレビュー依頼」
――今、こんな「仕事」がネット上で取引されている。
Amazonなど電子書籍を販売する大手通販サイトの口コミ欄に、
金銭を得て特定商品への賞賛レビューを投稿する作業だ。
企業が個人に仕事を発注する「クラウドソーシングサービス」を経由し、
1件およそ50円の低価格で発注されている。
2015年6月からAmazonで販売が始まった電子書籍「シムシスブックス」シリーズ。
IT企業「SIMSYS」(東京都杉並区)が発行し、FXやNISAから「ご近所トラブル」、
「集団的自衛権問題」まで幅広いテーマを扱う。
いずれも価格は500円以内で、Amazonの有料会員なら無料となる。
10月15日17時までは約30商品が発売されていた。
しかし、口コミ欄のカスタマーレビューには不自然さが漂う。
いずれも「★5つ」の最高評価を付けて
「参考になります」
「勉強になりました」と絶賛している一方、
内容にほとんど触れていない。
レビュワーも「シムシスブックス」だけをレビューしていたり、
レビュー済み商品が1つだけだったりと、どこかおかしい。
実は、これらのレビューには裏があったようだ。
大手クラウドソーシングサイト「ランサーズ」上で、
こちらも15年6月頃から、「シムシスブックス」の商品ページに
好意的なAmazonレビューを投稿する「仕事」が発注されていたのだ。
仕事内容を紹介するページはほぼ閲覧できなくなっているが、
グーグルのキャッシュ
(編注:サイトの内容を一時的に検索エンジンの
データベースに保存したもの)は
今もおおかた残っている。それを見る限り、
発注していたのは2つのアカウントで、
対象となったタイトルは20以上に渡る。
レビュー1件に対する報酬は54円とわずかながら、
すでに約60件以上の契約が成立していた。
仕事の内容は、指示されたタイトルの電子書籍をAmazonで購入、
最高評価の「★5つ」を付けて
商品ページに20文字以上のカスタマーレビューを投稿するといったものだ。
発行社の電話番号がつながらなくなった
注意書きに「見出し/レビューには誹謗中傷に当たるような
コメントや書籍のイメージを損なうようなコメントを
記載しないようにお願い致します」とあり、
金銭を得た上で好意的な口コミを投稿する、
いわゆる「ステルスマーケティング」の可能性が高い。
ステルスマーケティングはAmazon、ランサーズ、いずれの利用規約でも禁止されている。
また、別のアカウントがランサーズ以外のクラウドソーシングサイトで
同じ仕事を発注していることも確認できたが、
これらのアカウントが同一人物かどうかは不明だ。
「ステマ」と捉えられかねない仕事が発注されている事実を、
ランサーズ側は把握しているのか。
同社広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対し10月15日、
「当件については注視しています」と答えた上で、
「弊社では当該アカウントの発注した案件すべてを
規約違反のステルスマーケティングと判断しました」と明かした。
運営が取った「アカウント制限」の制裁措置をうけ、
すでに2つのアカウントは退会しているという。
今後は「公開条件などを変更し、当該アカウントに関するページを
一般ユーザーの目に触れないようにする」としている。
一方、SIMSYSにも取材したが、
15日に電話をかけた1度目は記者が話している途中で担当者に切られた。
ほどなく、2度目に連絡した際は、
呼び出し音も鳴らない状態で、
その後しばらくしてかけた3度目には、
「ただ今電話に出ることができません」と機械音での応答があるだけだった。
はじめから「これは演出です。」とすれば問題ないが
口コミ、人気ランキングなど最近は投稿者側だけでなく
サイト側もやらせ行為をするようになっている。
朝日新聞デジタル 1月28日(木)
お金払うから1位にして 「やらせランキング」実態は
「お金を払うから1位にして下さい」。
商品やサービスを紹介するランキングサイトに、
こう頼む企業が相次いでいる。
下位になった企業がサイト側を訴える事例もある。
なんでそんなことが起きるのか。
「1位5千円、
2位3千円、
3位1千円。
特別報酬キャンペーン実施します」。
神奈川県内の男性に昨年、メールが届いた。
男性は服やバッグなど身近な生活用品を実際に使って紹介するサイトを運営し、
閲覧件数は月数万件を誇る。
メールの送り主は、
サイト経由で商品が売れるたびに1430円の報酬を払うサプリ販売業者だが、
ランキング形式の紹介で
上位に掲載したら報酬を上乗せする、というのだ。
この男性のもとには職業紹介業者から「1位なら5千円にアップ」、
占い業者からは「1位で3千円から6千円」といった依頼が相次いだ。
収入が増える可能性もあったが、男性は
「自分がよいと思わない商品を
1位で紹介するのは、うそを伝えること」
と考えて依頼をすべて無視した。
ただ、「これだけ来るということは、
報酬につられるサイトがあってもおかしくない」と想像する。
男性が自身のサイトに掲載するのは、
商品が売れた場合に企業から報酬がもらえる「成功報酬型」の広告だ。
「アフィリエイト」とも呼ぶ。
広告会社などで作る日本アフィリエイト協議会(横浜市)には一昨年ごろから、
「上位掲載の依頼が来ているがどうすればいいのか」
といった内容の相談が寄せられている。
協議会は「やらせランキング」として、サイト運営者に注意を呼びかけている。
協議会によると、日本語のアフィリエイトサイトは
推計約500万あり、商品やサービスのランキングを掲載するサイトも目立つ。
企業がお金を払ってまで1位になりたがるのは
「1位と2位では販売効果が5倍以上違う」(広告会社)ほど、
商品の注目度に差が出るからだ。
米アマゾン、「やらせ」評価で提訴 投稿の1114人を
日本経済新聞2015/10/20 11:29
【ニューヨーク=共同】米インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムが、
自社のサイトに「やらせ」の商品評価(レビュー)を投稿したとして
1114人を米西部ワシントン州の裁判所に提訴したことが19日分かった。
サイトの信頼性を傷つけられたとしており、
損害額を明示しないまま賠償を求めた。
アマゾンは「やらせ」を根絶する強い意向を表明しており、
提訴が広がる可能性もある。
サイトに登録された利用者名を基に1114人を訴えているが、
1人が複数名を使い分けている可能性もある。提訴は16日付。
訴状によると、何者かが
「アマゾンのサイト上で電子書籍や商品について素晴らしいレビューを書きます」と
ネットで募集。
高評価のレビューを投稿する見返りに
商品の提供業者から1回5ドル(約600円)を受け取っていた。
高評価のレビューで顧客を引きつけようとしたとみられる。
レビューの請負は雑務の仲介専門サイトに掲示された。
米国では「ギグ」と呼ばれる雑務を扱うサイトが増えている。
アマゾンの広報担当者は共同通信に
「ほぼ全てのレビューは本物で、顧客の買い物を手助けしている」と強調。
「規約違反のレビューは削除を続ける」と述べた。
Jcastニュース2015・10・15
「参考になります」「勉強になりました」、不自然な絶賛レビュー
「電子書籍のカスタマーレビュー依頼」
――今、こんな「仕事」がネット上で取引されている。
Amazonなど電子書籍を販売する大手通販サイトの口コミ欄に、
金銭を得て特定商品への賞賛レビューを投稿する作業だ。
企業が個人に仕事を発注する「クラウドソーシングサービス」を経由し、
1件およそ50円の低価格で発注されている。
2015年6月からAmazonで販売が始まった電子書籍「シムシスブックス」シリーズ。
IT企業「SIMSYS」(東京都杉並区)が発行し、FXやNISAから「ご近所トラブル」、
「集団的自衛権問題」まで幅広いテーマを扱う。
いずれも価格は500円以内で、Amazonの有料会員なら無料となる。
10月15日17時までは約30商品が発売されていた。
しかし、口コミ欄のカスタマーレビューには不自然さが漂う。
いずれも「★5つ」の最高評価を付けて
「参考になります」
「勉強になりました」と絶賛している一方、
内容にほとんど触れていない。
レビュワーも「シムシスブックス」だけをレビューしていたり、
レビュー済み商品が1つだけだったりと、どこかおかしい。
実は、これらのレビューには裏があったようだ。
大手クラウドソーシングサイト「ランサーズ」上で、
こちらも15年6月頃から、「シムシスブックス」の商品ページに
好意的なAmazonレビューを投稿する「仕事」が発注されていたのだ。
仕事内容を紹介するページはほぼ閲覧できなくなっているが、
グーグルのキャッシュ
(編注:サイトの内容を一時的に検索エンジンの
データベースに保存したもの)は
今もおおかた残っている。それを見る限り、
発注していたのは2つのアカウントで、
対象となったタイトルは20以上に渡る。
レビュー1件に対する報酬は54円とわずかながら、
すでに約60件以上の契約が成立していた。
仕事の内容は、指示されたタイトルの電子書籍をAmazonで購入、
最高評価の「★5つ」を付けて
商品ページに20文字以上のカスタマーレビューを投稿するといったものだ。
発行社の電話番号がつながらなくなった
注意書きに「見出し/レビューには誹謗中傷に当たるような
コメントや書籍のイメージを損なうようなコメントを
記載しないようにお願い致します」とあり、
金銭を得た上で好意的な口コミを投稿する、
いわゆる「ステルスマーケティング」の可能性が高い。
ステルスマーケティングはAmazon、ランサーズ、いずれの利用規約でも禁止されている。
また、別のアカウントがランサーズ以外のクラウドソーシングサイトで
同じ仕事を発注していることも確認できたが、
これらのアカウントが同一人物かどうかは不明だ。
「ステマ」と捉えられかねない仕事が発注されている事実を、
ランサーズ側は把握しているのか。
同社広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対し10月15日、
「当件については注視しています」と答えた上で、
「弊社では当該アカウントの発注した案件すべてを
規約違反のステルスマーケティングと判断しました」と明かした。
運営が取った「アカウント制限」の制裁措置をうけ、
すでに2つのアカウントは退会しているという。
今後は「公開条件などを変更し、当該アカウントに関するページを
一般ユーザーの目に触れないようにする」としている。
一方、SIMSYSにも取材したが、
15日に電話をかけた1度目は記者が話している途中で担当者に切られた。
ほどなく、2度目に連絡した際は、
呼び出し音も鳴らない状態で、
その後しばらくしてかけた3度目には、
「ただ今電話に出ることができません」と機械音での応答があるだけだった。