こんにちは、彩りプロジェクトです。
このブログでは、中小企業支援を目的に様々な情報提供を行っております。
少しでも皆様の経営のお力添えが出来たらと思っております。
彩りプロジェクトは経済産業省・内閣府 経営革新等認定支援機関(関財金1第492号)です。
それではB社の事例について見ていきましょう。
まずB社の概要です。
・自社工場の製造ラインで木材加工を行う木材加工業者。
・年商30億円。従業員数は約130名
・既存製品の生産力の増強と新製品分野への参入を目的として、実績Ⅱ期の期中に製造ラインの一部改修を実施した。
・しかしながら、ラインの改修によって生産上のトラブルが頻発し、既存製品の生産力の増強について意図した効果が得られず、生産キャパシティが減少し、これがボトルネックとなって、売上高が減少した。
・これによって、生産量の減少のみならず、歩留率の悪化も招き、実績Ⅰ期において大幅な営業損失となった。
・足下では生産が安定化し、生産量の懸念はなくなったが、この間、当社顧客への競合他社の食い込みを許している。
・木材の価格の上昇によって、足下では限界利益が圧迫されている。
上記の会社が中期経営計画書作りを実施いたしました。
現状分析結果は以下の通りです。
~製造面~
(生産効率)
・既存製品の生産力の増強と新製品分野への参入を目的として、2年前に製造ラインの一部改修を実施したが、これが原因となって生産上のトラブルが頻発し、生産キャパシティの低下に繋がった。
・これにより、生産量の減少に加えて、歩留率の著しい悪化を生じる結果となった。
・足下では生産量は安定化したものの、歩留率は未だ従前のレベルに到達しておらず、歩留率の改善が急務である。
(材料費の高騰)
・木材の価格の上昇によって、限界利益が圧迫されており、材料費圧縮のための対策が必要である。
~販売面~
(既存製品分野)
・生産量が低下している間に、当社の顧客に対する競合他社の食い込みを許してしまっており、既存顧客への営業活動の強化が必要である。
・市場の動向からみて、既存製品分野での大幅な売上高の拡大は期待できず、既存製品分野においてB社の売上高の維持・回復を図るためには、競合他社顧客へのアプローチを行う必要がある。
(新製品分野)
・中期的には新製品分野の開拓拡大が期待され、新製品の上市に向けた計画的な営業活動が必要である。
といいた分析結果となりました。
更に、5F分析を加味しましょう。
既存企業の動向はどうでしょうか?
・業界のシェア争いはますます激化しているが、新規参入者は少ない。最近、α社が新製品発表を行い、耐久性とシックハウス対策に優れている木材を販売している。
買い手の交渉力はどうでしょうか?
・市場が飽和状態であり、外国からも優れた木材が輸入されつつあり、価格の決定権は顧客が握っている。つまりどこでも同じものが手に入ると言う事。
サプライヤーの交渉力はどうでしょうか?
・木材の価格高騰は震災後の復旧の為によるものである。そういった意味でも今後も高騰は続くものと思われる。完全な供給不足状態である。しかし、サプライヤーの交渉力は高止まり感が有り、各業者ともに動向をうかがっている。
新規参入者の脅威はどうでしょうか?
・ここ近年新規参入者が増えつつあると調査の結果わかった。
・新規参入者は独自のコンセプトを持ち、今まで当社の顧客ではなかった層に直接アプローチしている。
・公共施設やコンセプト住宅販売業者等がターゲットの様だ。
・彼らは社会的課題を解決する事を目指し、ターゲットが明確である。
このような観点を抽出すると何が見えてくるでしょうか?
B社はまさにレッドオーシャンまっただ中って感じですよね。
新たな付加価値を生まない限り価格競争世界からは抜け出せないのがわかります。
このような業態は事業の軸を増やし(B社の中の例え数億円の予算でもいいと思います)、社会的課題を解決に導く取り組みをし、付加価値を感じていただける方々をターゲットとするべきです。
ベンチャー証券会社の鎌倉投信さんの投資先に木材生産加工業者がおります。彼らと同じく投資先である、保育園施設運営業者とのコラボを実現し、木のぬくもり、安全安心な建物作りを通し、園児にサービスを施す試みを行っております。
話を戻しますね。
B社はこれらの課題の抽出結果に基づき3つの施策を策定しました。
1、緊急のコストの削減策
(1)人件費の圧縮→役員手当の削減、従業員の賞与の削減によって、人件費の圧縮を図る。
(2)経費の削減→部門毎に経費の削減額を予算化し、予算内での運営を徹底し、経費の圧縮を図る。
(3)設備投資の抑制→機械設備の耐用年数を延ばし、再リースを検討する。
2、販売面
(1)既存顧客への営業の強化→競合他社の食い込みを許した既存顧客に対する営業を強化し売上高の回復に繋げる。
(2)競合他社の顧客へのアプローチ→競合他社顧客への営業アプローチを行い既存製品分野の売上高確保を図る。
(3)新製品分野の受注獲得→中期的には新たな製品の柱となる新製品分野の製品を開発し販売する。
3、製造面
(1)歩留率の改善→設備A及び検査機Bの導入によって、工程の見直し、品質検査体制の見直しを行い歩留率の改善を図る。
(2)材料費の圧縮→木材価格の上昇・調達難への対応として輸入材の利用を含め、調達先の多様化を図る。
ここまでほぼ一般的な計画内容となっているかと思います。
私のアプローチではここからが他のコンサルティングとは違うところです。
次回はそのあたりにふれていきましょう。
「リーダーシップ研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を35,000円(2h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
メール info@irodori-pro.jp
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
このブログでは、中小企業支援を目的に様々な情報提供を行っております。
少しでも皆様の経営のお力添えが出来たらと思っております。
彩りプロジェクトは経済産業省・内閣府 経営革新等認定支援機関(関財金1第492号)です。
それではB社の事例について見ていきましょう。
まずB社の概要です。
・自社工場の製造ラインで木材加工を行う木材加工業者。
・年商30億円。従業員数は約130名
・既存製品の生産力の増強と新製品分野への参入を目的として、実績Ⅱ期の期中に製造ラインの一部改修を実施した。
・しかしながら、ラインの改修によって生産上のトラブルが頻発し、既存製品の生産力の増強について意図した効果が得られず、生産キャパシティが減少し、これがボトルネックとなって、売上高が減少した。
・これによって、生産量の減少のみならず、歩留率の悪化も招き、実績Ⅰ期において大幅な営業損失となった。
・足下では生産が安定化し、生産量の懸念はなくなったが、この間、当社顧客への競合他社の食い込みを許している。
・木材の価格の上昇によって、足下では限界利益が圧迫されている。
上記の会社が中期経営計画書作りを実施いたしました。
現状分析結果は以下の通りです。
~製造面~
(生産効率)
・既存製品の生産力の増強と新製品分野への参入を目的として、2年前に製造ラインの一部改修を実施したが、これが原因となって生産上のトラブルが頻発し、生産キャパシティの低下に繋がった。
・これにより、生産量の減少に加えて、歩留率の著しい悪化を生じる結果となった。
・足下では生産量は安定化したものの、歩留率は未だ従前のレベルに到達しておらず、歩留率の改善が急務である。
(材料費の高騰)
・木材の価格の上昇によって、限界利益が圧迫されており、材料費圧縮のための対策が必要である。
~販売面~
(既存製品分野)
・生産量が低下している間に、当社の顧客に対する競合他社の食い込みを許してしまっており、既存顧客への営業活動の強化が必要である。
・市場の動向からみて、既存製品分野での大幅な売上高の拡大は期待できず、既存製品分野においてB社の売上高の維持・回復を図るためには、競合他社顧客へのアプローチを行う必要がある。
(新製品分野)
・中期的には新製品分野の開拓拡大が期待され、新製品の上市に向けた計画的な営業活動が必要である。
といいた分析結果となりました。
更に、5F分析を加味しましょう。
既存企業の動向はどうでしょうか?
・業界のシェア争いはますます激化しているが、新規参入者は少ない。最近、α社が新製品発表を行い、耐久性とシックハウス対策に優れている木材を販売している。
買い手の交渉力はどうでしょうか?
・市場が飽和状態であり、外国からも優れた木材が輸入されつつあり、価格の決定権は顧客が握っている。つまりどこでも同じものが手に入ると言う事。
サプライヤーの交渉力はどうでしょうか?
・木材の価格高騰は震災後の復旧の為によるものである。そういった意味でも今後も高騰は続くものと思われる。完全な供給不足状態である。しかし、サプライヤーの交渉力は高止まり感が有り、各業者ともに動向をうかがっている。
新規参入者の脅威はどうでしょうか?
・ここ近年新規参入者が増えつつあると調査の結果わかった。
・新規参入者は独自のコンセプトを持ち、今まで当社の顧客ではなかった層に直接アプローチしている。
・公共施設やコンセプト住宅販売業者等がターゲットの様だ。
・彼らは社会的課題を解決する事を目指し、ターゲットが明確である。
このような観点を抽出すると何が見えてくるでしょうか?
B社はまさにレッドオーシャンまっただ中って感じですよね。
新たな付加価値を生まない限り価格競争世界からは抜け出せないのがわかります。
このような業態は事業の軸を増やし(B社の中の例え数億円の予算でもいいと思います)、社会的課題を解決に導く取り組みをし、付加価値を感じていただける方々をターゲットとするべきです。
ベンチャー証券会社の鎌倉投信さんの投資先に木材生産加工業者がおります。彼らと同じく投資先である、保育園施設運営業者とのコラボを実現し、木のぬくもり、安全安心な建物作りを通し、園児にサービスを施す試みを行っております。
話を戻しますね。
B社はこれらの課題の抽出結果に基づき3つの施策を策定しました。
1、緊急のコストの削減策
(1)人件費の圧縮→役員手当の削減、従業員の賞与の削減によって、人件費の圧縮を図る。
(2)経費の削減→部門毎に経費の削減額を予算化し、予算内での運営を徹底し、経費の圧縮を図る。
(3)設備投資の抑制→機械設備の耐用年数を延ばし、再リースを検討する。
2、販売面
(1)既存顧客への営業の強化→競合他社の食い込みを許した既存顧客に対する営業を強化し売上高の回復に繋げる。
(2)競合他社の顧客へのアプローチ→競合他社顧客への営業アプローチを行い既存製品分野の売上高確保を図る。
(3)新製品分野の受注獲得→中期的には新たな製品の柱となる新製品分野の製品を開発し販売する。
3、製造面
(1)歩留率の改善→設備A及び検査機Bの導入によって、工程の見直し、品質検査体制の見直しを行い歩留率の改善を図る。
(2)材料費の圧縮→木材価格の上昇・調達難への対応として輸入材の利用を含め、調達先の多様化を図る。
ここまでほぼ一般的な計画内容となっているかと思います。
私のアプローチではここからが他のコンサルティングとは違うところです。
次回はそのあたりにふれていきましょう。
「リーダーシップ研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を35,000円(2h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣