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マーケティング研究 他社事例 549 「粉飾予備軍!?②」 ~関連倒産が2倍以上に~

2020-05-01 10:04:37 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 549 「粉飾予備軍!?②」 ~関連倒産が2倍以上に~


中小企業が不正に手を染める理由の多くは業績不振を隠し、金融機関との関係を維持して資金をつなごうとするためです。

こうした粉飾の増加は都道府県単位で商工会議所に設置する中小企業再生支援協議会への相談件数からも傍証されています。

同協議会は国から委託を受け、借入金返済の延期・減額や第三者への事業売却などを協議する公的機関です。

取引金融機関同士の協議(私的整理)で支援を続け、公的整理を回避する際の入り口にもなる相談の件数は、2019年7~9月が594件で前年同期比112件増えたのでした。

地域によっては「相談の7~8割が粉飾がらみ」と言われるほど、決算書の作成で中小企業が行き詰まるケースは多いと言います。

2019年度は東日本大震災の影響が残った2014年度以来となる2000件超えの勢いとなっています。

それだけ今後、問題発覚の可能性がある「粉飾予備軍」が多い事を示しています。

こうした私的整理が頭取たちの発言に影響を与えたと金融関係者は指摘します。

「私的整理は地域金融が主体的に決める。審査部の情報で粉飾案件が増えた印象をトップが抱き、会見での発言につながった」と受け止められています。

景気の先行きが不透明感を増している事で、中小企業の粉飾を誘発している面があります。

一方で地域金融が以前に比べ企業の経営実態をつぶさに見るようになったと多くの関係者は感じています。

金融緩和で資金がだぶつく中、地域金融は融資先の獲得を競い、低金利でたたき合って来ました。

しかし、金融庁は近年、担保よりも事業性評価を強化するよう求めています。

地域金融が企業と向き合う態度が変わり、粉飾を察知する一因になっていると言うのです。

人口減小に加え、ネット銀行の台頭で業務を侵食される地域金融は今後、再編が避けられません。

「経営統合などを探索する中、仮に審査基準の統一で粉飾が発覚すればメンツが丸つぶれ。長年、取引のある地元企業の経営状態を疑って慎重に調べていることも影響している」(地銀関係者)と言います。

2019年の横浜銀行と千葉銀行の業務提携は、後継者がいない融資先の事業承継を進める為、M&A(合併・買収)に向けた情報を交換する狙いもありました。

「事業承継を控えて財務状況を確認するディーデリジェンス(DD 資産査定)が各地で増え、粉飾が発覚することもある」

しかし、融資先の粉飾を見つけ、再生協議会に相談するのは、メガバンクの方が目立つようです。

安易な貸し出しをしてきた地域金融は、取引先の将来性を見通すと同時に不正を見抜く目利きの力が一層求めらています。



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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