おや? なんだろう? おもしろいね~ と自然に笑顔になり、楽しんで取り組みたいですね。 まさしくそれは彩りですね!!

卓越性の探究者、波田野が皆さんに販売戦略・営業手法についてや、コミュニケーションについて思う事をお届けします。

右腕の育て方《待つか?育てるか?》

2022-04-22 11:07:51 | 組織風土
右腕の育て方
5.待つか?育てるか?
さて、右腕の育て方も第5回を迎えました。
いよいよ核心に迫っていきますので、お楽しみになさって下さい。

さあ、今回のテーマは右腕出現を待つか?育てるか?です。
これは、皆さんの会社にとっての右腕の出現を待つか、それとも自ら育てるかに焦点を絞って展開させていただきます。

まずは待つか?という内容に触れて行きます。
待つ事にした場合は、条件があります。
それは、『人が育つ風土がある』と言う事です。

前回のテーマが【突然変異はある日突然に!?】と言う事だったのは覚えていらっしゃいますか?
突然変異は右腕が育つ風土が無ければ、言い換えれば誰もが成長できる、成長を感じられる風土で無ければ起こりません。

ではどんな風土であればいいのか?
閉鎖性と誤った親和性は意識して見直す必要があります。
閉鎖性は判断基準が何か?で閉鎖的にもなるし、開放的にもなります。
誤った親和性は、本物のシナジーは得られないでしょう。
皆さんは《スタンフォード大学の監獄実験》というお話を聞いた事がありますか?
これは置かれた環境で人に変化がある事を実験したものとして、私の記憶にも強烈に残っています。
スタンフォード大学の心理学者のフィリップ・ジンバルドー氏(以下、F・ジンバルドー)は、人間は環境から影響を受けるものという学説を信じていました。彼は自らが実験を行う事で、それを実証したかったと言えます。
F・ジンバルドーは新聞広告などから21人を集めました。
そして彼らをそれぞれ看守役と囚人役とに分けたのでした。
看守役は初めは命令を下すことに戸惑いながらも、次第にそのことに慣れ、面白いことに徐々に威圧的な態度をとるようになります。
結果、そのことに反感を持ち始めた囚人役たちに、さらに重い罰則を与え、お互いの関係はこじれていきます。
ここからが酷い内容になって行きますが、看守役は囚人役に罰を与えることに快感を感じたり、囚人役を家畜のように考え、躾をしなければと考えたりするようになっていったと言うのです。
しばらくすると精神に異常をきたした囚人役一人が離脱しました。
さらに、ストレス過多となったもう一人の囚人役を、看守役は倉庫に移動させて虐待し、さらに精神的に追い詰めるという行為に走ります。
実験の中止を求めた囚人役に対しては「仮釈放の審査」を受けさせ、実験はそのまま続けられました。

このような状況になったのなら、もう実験どころでは無いのですが、当時(1971年当時)は人権やコンプライアンスなどが重要視されていなかったので、このような「非人道的」な心理実験が行われてしまいました。
離脱者が早期に出た状況を鑑みたカウンセラーや弁護士などにより、2週間を予定していた実験は、当初の予定を大幅に短縮し、6日間で打ち切られることになりました。 のちに、F・ジンバルドー氏自身もこの実験が生み出した状況にのまれ、正常な判断ができなかったと発言しています。
看守役の中にも続行を希望する者もいて、この実験がいかに被験者の心に影響を与えたかがうかがえます。
このスタンフォード大学で行われた監獄実験は、今では数少ない人間による生きた心理実験であり、貴重なデータとして扱われるようになったのです。

この事から、職場の風土が以下の大切かをご理解いただけると思います。

判断基準が、その企業内で力の強い人間が持っている状況はさながら看守の様であり、従業員は看守の顔色を気にする囚人のようです。
そのような閉鎖的な職場から皆さんが望むような右腕が出現するでしょうか?
良い看守は生まれるかもしれませんが、それは皆さんが望むような会社の姿ではないはずです。

皆さんの会社の風土の判断基準がビジョンやパーパスであり、社員は迷うことなく、それに向かう事が出来る状態であるなら、右腕の出現を待つことも一つの手法であるとも言えます。

しかし、現在のビジネス環境の中で、ビジョンを判断基準にしている会社は無いと言っても過言ではありません。
あるにはありますが、それも本当にそうできているかは疑わしく感じます。
なぜなら、会社は株主やステークホルダーをないがしろに出来ないからです。
お客様を失う可能性があるから…、株主に指摘される可能性があるから…、といって判断基準をビジョンに出来ないのです。
結果、多くの会社で額縁に入った言葉となっているのです。
社員はほくそ笑んでいると思います。
恐れずに申し上げるなら、経営者のマスターベーションには付き合えないと。

ですが、実はここに改善点があるのです。
その改善を促しながら「右腕を育てる」と言う事も可能です。
風土が耕されていない状況で右腕を育てると決めたならば、まず最初に取り組むべき事があります。
それは、理念に一貫した風土作りを優先する事です。

先ほどから申し上げている通り、風土が耕されていないと組織に対して、従業員は期待出来ません。
もしそんな状態の会社で、右腕の役割を与えられたら不幸でしかありません。
なぜなら貧乏くじを引くようなものだからです。

人が育つ風土があれば、必ず右腕は現れます。
ただし、どこまで待つか(またはあきらめるか)を決めるべきです。
もし待てないのなら、他から採用する手段もあります。

もう一つ、お伝えしておきます。
確認します。
あなたの組織のリーダーとは何をする人でしょうか?

リーダーシップであるとかマネジメントを語る時には、常について回るのが、リーダーって何をする人ですか?と言う事です。
これは、リーダーを雑用係と思っている人が多いことからお示ししておきたいと思います。
伊賀康代さんが著した採用基準の中でこのようにおっしゃっています。
「日本では時々雑用係のことをリーダーと呼んでいるのではないかと思うことさえあります(省略)なぜ日本ではリーダーが雑用係になってしまうのでしょう?その理由は、日本人が「リーダーは組織に1人いればよい」と考えているからです。「1人のリーダーが、組織運営に必要なことはすべてやるべきだ」と考えているから、リーダーは本来求められる責務に加え、雑用まですべてを担当させられるのです。(省略)雑用係とは反対に、リーダーとは他者の上に立ってあれこれ命令し、指示をする人だと考える人もいます。命令されることを好む人はいませんから、「リーダー = 命令する人」だと解釈した時点で、その人にとって「リーダー」という言葉はネガティブな意味をもってしまいます。リーダーとは成果を達成する人としています。」また、「リーダーがなすべきタスクとして「目標を掲げる」「先頭を走る」「決める」「伝える」があります。つらくても頑張ろうと思える魅力的なゴールを示し、最初の1人になる事をいとわず、たとえ十分な情報が揃わなくても決める事が出来て、何度も繰り返し、粘り強く同じ事を語り続ける必要があります。」(伊賀泰代著 ダイヤモンド社 採用基準 )

リーダーの役割について皆さんの職場では、どのように説明しているでしょうか?
私は伊賀さんがおっしゃっている内容が心に刺さりました。

さて、以上の解説の内容から、待つか育てるかに関しては、基準が会社にあり、異なるものを親和的に接合し、それらを元に、風土を構築している会社であれば、待っても次から次へと右腕候補は現れる事でしょう。

そうでは無い会社であれば、まず整備する事に注力し、右腕候補に風土改革を任せるという事が近道であると言えます。



(右腕の育て方6へ続く)
・次回以降のテーマ
『参謀体験記』
『貴社の育成のメソッドを構築しよう!』


≪人材育成のアンラーン 略して〔人アン〕≫のご紹介
https://hitoun.jp/

彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格12,000円(税込み)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)

内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。

R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。

最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。

R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。

セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力

受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。

ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。

定額制で何人でも何回でも受講が可能です!!

詳しい、資料のご請求や、ご質問等は以下にメールをお待ちしております。

〔人アン紹介ホームページ〕URL https://hitoun.jp/

メール info@irodori-pro.jp もしくは info@hitoun.jp までお願いします。

〔風土改革HP〕 https://www.fuudokaikaku.com/

風土改革のお問合せ先 https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/

成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 右腕の育て方《突然変異はあ... | トップ | 右腕の育て方《参謀体験記➀》 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

組織風土」カテゴリの最新記事