瀬野川生物調査
海田町役場建設課、吉本測量設計会社、瀬野川を楽しむ会、広島市立大学情報科、広島大学生物生産学部と 合同で瀬野川の生物調査を実施。
目的は、2012年秋から始まる、石原橋橋脚の補強工事を行う前の生物調査
昨年からの増水で石原橋の橋脚元がダメージを受けています。
そこで補強をするために工事が必要。
今年の5月下旬、瀬野川を楽しむ会と建設課が話し合い、補強工事を行う前に生物調査をすることにしました。
専門的な調査方法は、広島大学生物生産学部海野准教授から指導を受けました。
また、広島市立大学情報科の吉田教授グループ7名も石原橋補強工事の100�周辺の瀬野川に入り、シジミやメダカその他の生物を目視調査しました。
この日行った調査では、ゴクラクハゼ、メダカ、ウキゴリ、ナマズ、フナ、オイカワ、ウナギ、ヨシノボリ、スジエビ、ヌマエビ、シジミ、カワニナを
採取し種類や数を調べました。
特に多かったのが、オイカワ、シジミ、エビです。
この種類は繁殖力も強く瀬野川では一番ポピュラーな生き物ですが、ヌマエビなどは農薬、コンクリートから出るアルカリ成分に反応し、瞬時に絶滅もあり得ます。
海田町は治水利水、そして生物多様を考えで、2000年から大幅に河川の工法を創意工夫しています。
広島県では一番工夫されている川と思います。
多額な費用を掛けるのではなく、本当に必要な工法を役場、施工業者、住民が話し合い、創意工夫で取り入れています。
これまでに行った2000年以降の浚渫工事での主な提案では、
1.工場から出る汚泥の除去、及び中州を作り、単調な流れをかくはんして、堆積物を少なくする工法
2.畑賀川と瀬野川の合流地点に、遡上しやすい魚道整備、
3.海田町瀬野川最上流部の中州工事では、全て浚渫するのではなく、生き物の定着しやすい工夫工事、増水時に被害の元になるであろう中州上部の堆積した土砂の削除
どれも、行政、業者、住民 この3者が提案して、施工する企業努力も有り実施してきました。
特別に費用を計上することもなく、瀬野川の自然が保たれ、毎年、400名から500名の子供達が学習できる河川として治水、利水、生物共存ができています。
2000年から始めた瀬野川保護活動も毎年継続。
現在、瀬野川を楽しむ会16名、クラーク記念国際高等学校や広島市立大学情報科、広島大学生物生産学部の協力を得て河川掃除、植栽、学習サポートをしています。
この秋には補強工事も開始します。
今回の調査で把握できた事を元に、治水を重点に生き物も定着しやすいような工法を取り入れようと提案します。
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中村幸春
E-mail:fffnakamura@silver.plala.or.jp