久しぶりに八木さんからの「魚名に遊ぶ」を載せます。
八木さんのこれは僕も楽しみに見せてもらっているものですが、
よくいろいろと調べられてあられてすごいなーと感心しています、
今また日本の磯釣り開拓者の偉大な人々のことを調べておられるようですので
今から楽しみです。
コノシロは、内湾に群れる小魚で、秋祭りの頃から冬にかけてが旬の魚。
魚偏に祭、冬と書くが如しです。
古くから人々の食用に供されてきましたので各地に呼び名が多く、
せいぜい25センチくらいの小物にもかかわらず、
地域によってはシンコ、コハダ、ナカヅ、コノシロと名が変わる”出世魚“でもあります。
ところが、縁起の良い出世魚にもかかわらず、江戸時代の武士はこの魚を食べるなど「とんでもないこと」と口にしなかったそうです。
それは、コノシロが「この城」に聞こえ”お家大事“の武士たちは「この城を食う」と忌み嫌ったのだそうです。
でも嫌ったのは言葉だけで、実はコハダ(小さい斑点があるため)と呼び変えて好んで食したとか。これって、お酒を「般若湯」と呼び変えるのに似てますね。
とまれ、寿司屋さんで「コハダ握って」と言うとき、ふと頭をよぎるのは、今も昔も宮仕えの苦労。ネ、ご同輩!