石坂ファームハウスの『都会の田舎をおすそ分け』

多摩丘陵の自然豊かな里山から、その恵みを大切にした農家の暮らしをお伝えします

昔の暮らし ~小3の授業~

2020年01月31日 | 農業視察
毎年、息子たちが通う小学校の3年生が社会科「昔の暮らし」の授業で見学に訪れます。75歳になる母の「子どもの時代」の話と百草にお嫁に来た約50年前の地域の様子を聞き、農家にある古い農具や生活道具、家屋などを見て触って体験しました。子どもたちの質問に答える母からは、私も初めて聞くような母の昔話を聞くことが出来ます。また自分が子どもの頃の風景や生活の様子を思い出します。今の生活が当たり前になってしまうと、昔の事を思い出すことも少なく。だから、この授業は私も母のそばで話を聞いて子どもたちと一緒になって驚いたりしています。「子どものころはどんな遊びをしていましたか?」という質問には「子どもの頃は家が農家の子どもばかりだから、家のお手伝いをするのが当たり前で遊びなんて仕事の中で楽しめるように工夫していた。」と。いまどきの子には理解しがたい時代ですね。
カマドも、井戸もテレビでは見た事があるけどまるで馴染みのないモノ。でも、我が家では日常道具です。電化製品は楽ですが停電の時は使えません。
井戸は地下水なので、断水時も困ることはありません。便利で当たり前が出来なくなった時に困るのが現代社会。母の話を聞いていると、便利を知らない時代の人の方があらゆる面で逞しく応用力があるのではと思います。

いつの間にか使い捨て社会が確立され、竹やワラがプラスチックやビニール素材に変わってしまいました。作業道具としては軽くて丈夫で優秀な物も多いです。修理するより買った方が安くて時間も節約・・・、子どもたちに見せた竹の背負いかごも重たいのでこの数年お蔵入りです。でも、刃物は研いで長く使います。クワも父が農高時代に使っていたものを愛用。直せるものは修理して、長く使いたい気持ちはあります。でも大型農業機械に至ってはメーカーは修理するより購入を勧める、コンピューター内蔵で手を付けることも出来ないのが現状です。

比べようのない時代の子どもたち、昔の道具・お話・生活についてどこまでピンとくるのか・・・。

築100年の古民家に暮らす我が子たちが、友人たちに「雨漏り」の話をすればどのように思われるだろうか(笑)。私はこの雨漏りも厄介ではあるが嫌ではないのです。戦時中に立川方面に飛んでいく戦闘機が爆弾を落とし、その時の破片が飛び屋根に刺さって雨漏りするようになったと聞いています。そのようなエピソードのある雨漏りなので、子どもたちにも生活の中で戦争の傷跡を感じさせることが出来ます。

この先の未来、道具や生活がどのように変わるかの楽しみもあります。既についていけないことも多く、無理して流れに乗らず・比べず自分が一番暮らしやすい暮らし方をしていきたいと思います。
コメント
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