おじさんのスポーツおたく奮戦記? 第2章:issanの諸国漫遊記!?

岡山のスポーツチーム、出身選手、岡山に関係する人々などを勝手に応援するissanの日本国内漫遊記 !?

死して屍拾う者無し

2021年12月18日 22時33分00秒 | 大江戸捜査網

最近、テレビドラマで時代劇がめっきり少なくなったと思いませんか? NHK以外では予算の関係もあって、相当な人気シリーズでない限り連続ドラマ制作は厳しいのでしょう。刑事ものか病院ものでないと当たらない時代でもありますから。


出典:http://perrierdiary.blog.fc2.com/blog-entry-3826.html

テレビ東京で713回に渡って放映されたのが「大江戸捜査網」です。放映期間は1970年10月から1984年3月までで、途中に中断期間がありましたが長く続いた名物時代劇の一つです。主演は初代の杉良太郎から、二代目の里見浩太朗、三代目を松方弘樹が務めました。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

“隠密同心 心得之条 其之壹っ”
我が命我が物と思わず
武門之儀 飽くまで陰にて
己の器量を伏し
御下命 如何にても果す可し
尚 死して屍拾う者無し
死して屍拾う者無し
死して屍拾う者無し


私もよく覚えていなかったのですが、この有名な“隠密同心 心得之条”が登場したのは、第3シリーズからのようです。「死して屍拾う者無し」は高度成長期の日本の猛烈な勢いと過酷な労働を象徴するものと思われました。

この心得之条は「其之壹っ」であって、「其之參っ」まで存在していたことはご存知ない方も多いと思います。

“隠密同心 心得之条 其之弐っ”
およそ悪はその実態を見極め
その根源を断つべきこと
虎穴に入らば 己の肉を斬らせ
しかる後 敵を倒すべし
この定め 忘れることなかれ


“隠密同心 心得之条 其之參っ”
行動は風のごとく速やかに
いかなる窮地に陥るも
みだりに狼狽することなく
一度 決すれば 必ず敵を斬るべし
一度 決すれば 必ず敵を斬るべし
一度 決すれば 必ず敵を斬るべし


《其之壹っ》があまりにも有名になった為、劇中で常時流されたことで覚えてしまった方も多いでしょう。

隠密同心とは、正式には隠密廻り同心のことで、奉行直属である。定町廻り同心,臨時廻り同心を勤め上げ,成績優秀で有った者が就任していました。云わば「秘密潜入諜報捜査員」です。初期作品に「アンタッチャブル」のサブタイトルがついていたように海外のスパイものを意識していたことは間違いないでしょう。


出典:https://doga.hikakujoho.com/library/00007592.html

必殺シリーズは朝日放送(ABCテレビ)が長きにわたって放映した人気時代劇シリーズです。「許せぬ悪を金を貰って始末する」殺し屋稼業というものが昭和の勧善懲悪絶対の時代に大衆に受け入れられるかどうかには、多くの疑問と反対意見が寄せられたようです。しかし、どうしても新シリーズを制作しないといけない事情がありました。その理由というのが、当時一世を風靡した「木枯し紋次郎」の存在でした。


出典:https://ameblo.jp/munenori-killy/entry-12578210529.html

笹沢左保の股旅物時代小説シリーズを原作に市川崑が監督した、徹底的にリアリティを追求した作品です。30%を超える視聴率を記録したフジテレビのお化け時代劇は中村敦夫の人気と相まって時代を反映する一大現象になりました。紋次郎の決め台詞「あっしにはかかわりのないことでござんす」が流行語になりました。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

紋次郎に勝てる時代劇を作れ、というのが各局の悲願でした。それに対して朝日放送が出した答えが、池波正太郎の小説『仕掛人・藤枝梅安』『殺しの掟』などを原作として『必殺仕掛人』の放映を木枯し紋次郎放映の時間帯にぶつけてスタートしました。当時と貼れば、この勝てる見込みのない戦いは紋次郎が主演、中村敦夫の怪我によって中断を余儀なくされた後に衰退を始めたのに対して、『必殺仕掛人』と『助け人走る』を除く全シリーズが完全オリジナル作品となっています。特に中村主水が登場して以降の『必殺仕事人』は超ヒットシリーズになりました。一般的な勧善懲悪を旨とする時代劇とは異なり、主人公は基本的に善行者ではなく、あくまで金のために殺しを行うアンチヒーローです。殺し屋という社会的に悪とされる稼業をあえてなす理由は、「どう理屈をつけようと殺人は悪であり、自分達が『正義の味方』にならないよう敢えて金をとっている」「合法的には裁くことができない悪人のみを殺める」「殺しにあたり、万に一つの間違いもないよう調査をする」といった倫理面のあとづけがされているのです(参考:wikipediaより)

短命に終わった木枯し紋次郎に対して、超ロングシリーズになった必殺シリーズはいつしか日本の時代劇を代表する作品となり、元来幕末期を舞台にしていたにもかかわらず、時空を超えて赤穂浪士を助けたり、また海を渡ってジョン万次郎と出会ったり、大リーガーと試合までしました。まあ、時代劇というファンタジーと考えれば何でもありというのは悪くはないと思います。



NHKの朝ドラは岡山を舞台に展開していますが、撮影は主に京都の太秦映画村で行われています。時代劇の聖地だったはずの太秦が段々と寂しくなっていくのは辛いですが、困難を乗り越えて大作が作られると良いですね。

大江戸捜査網から話が広がってしまいました。すみませんね。

よろしくお願いします。
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オミクロン旋風は何をもたら... | トップ | つれづれなるままに »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (だいちゃん)
2021-12-19 18:07:07
本当に、今の若い世代は、時代劇も観る機会がなく、私も今、そんなライフスタイルですが「興味あるものを選び取る」感じなので、歴史やこぼれ話を知らないのは寂しいです。

というか、20歳過ぎて「忠臣蔵」という単語が初耳、という後輩が先日、何人か確認されました

(まあ、あれも…日本人が喜ぶように美化されたストーリーで、実際は逆恨みテロ物語?なんでしょうが)

昔は、大石内蔵助を演じてついに一流の仲間入り!という時代もあったらしいですね。

話は変わりますが、今朝、早起きしたので、三国連太郎さんのデビュー作という映画を動画サービスでみましたが、やはり昭和の映画やドラマ、演劇やマンガにしても、様々な作品には、規制の緩い時代ならではの、出来得た主義主張、感じられますね。
返信する
Unknown (issan)
2021-12-20 06:56:12
>だいちゃん様

今の時代、多様性に配慮するあまり表現が狭まってしまって番組が成り立たなくなっているように感じます。時代劇だけでなく、昭和の世相を描いたドラマにしても「そんな表現はないだろう!?」という不必要な配慮がなされていて興ざめします。

以前の子供たちは時代劇全盛時代に育っていますから、現実はそうならなくても「悪事は成り立たず」「正義は必ず勝つ」という本筋をしっかり理解できていたと思います。それを見ないで成長した世代はことの善悪ですら多様性だと思うよっになったかのような、予想外の行動を取ったりします。

「人生は時代劇が教えてくれた」時代は良かったと思ってはいけないのかも知れませんが、「勧善懲悪」こそ真理なのだと思いますよね。
返信する

コメントを投稿

大江戸捜査網」カテゴリの最新記事