昨日のJ2第42節、今季最終戦の結果により、来季の自動昇格2チームとJ1昇格プレーオフに進む4チームが決まりました。
ファジの試合結果は後程として、今季の昇格レースの結末を確認したいと思います。
第41節を終えた時点での順位を再確認します。
【自動昇格レースの結末】
自動昇格レースを終始リードしてきたのは、昇格本命中の本命と目された清水エスパルスです。それに対してネガティブな状況の中でもがきながらも地力を発揮して食らいついてきたジュビロ磐田、戦力的にはこの2チームに劣るとみなされるものの城福監督の采配とチームの結束で自動昇格レースに踏みとどまっている東京ヴェルディの3チームが最終節の結果によって序列を決します。
最終節の対戦カードは、
水戸 | - | 清水 | Ksスタ | ||
栃木 | - | 磐田 | カンセキ | ||
大宮 | - | 東京V | NACK5 |
3チームが関東のチームと対戦します。いずれもアウェーでの最終戦ということになりました。この辺りも日程くんは絶妙のマッチメイクをしますね。降格圏内が決まっている大宮アルディージャのモチベーションが気になるところではありますが、水戸ホーリーホックと栃木SCの2チームはJ2残留を決めていることもあって、プレッシャーの全くない状態で試合に入っていけます。清水と磐田にとっては、勝つことは簡単でない厳しい試合です。
3チームが揃って勝てば順位は変動せず清水のJ1返り咲きが決まります。しかし、その通りにならないところが魔境と呼ばれるJ2沼の恐ろしいところですね。
試合結果です。
水戸 1-1 清水
栃木 1-2 磐田
大宮 0-2 東京V
そして、最終的に自動昇格したのは?
②ジュビロ磐田
勝点 75 得失点差 +30
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③東京ヴェルディ
勝点 75 得失点差 +26
④清水エスパルス
勝点 74 得失点差 +44
磐田が清水を逆転し、得失点差で東京Vを抑えて自動昇格を決めました。感覚的には「まさか」の結末です。この3チームの中では一番安定感に欠ける印象を持たれていたジュビロ磐田が自動昇格を掴んだのには、後藤などの若手が予想以上の大活躍をしたことがあげられます。補強禁止という罰則がなければ、恐らく現役高校生だった後藤がリーグ戦に出場するチャンスはなかったと思われますから、何が起こるか分かりません。
東京Vは磐田と並ぶ勝点をあげましたが得失点差によって昇格プレーオフに回ることになりました。このチームは何といってもリーグ最少失点の堅守が特長です。惜しむらくは上位に入った6チームの中でも最少だった得点力でした。しかし、よくここまで持ってきたと思います。中盤まで昇格レースを争っていた大分トリニータやV・ファーレン長崎などが脱落していった後も、選手の引き抜きなど逆風に晒されながら耐え抜きました。
そして、昇格レース大本命だった清水。戦力的に見ても圧倒的な力を示して自動昇格するものと誰しも思っていたことでしょう。結局、シーズン当初と終盤に予想外の敗戦や引き分けを繰り返したように、大事な試合に勝ち切れない勝負弱さを露呈して、最終節で自動昇格争いから脱落しました。選手の顔触れを見たら、これで自動昇格しないのがおかしいと思える銀河系軍団でも自動昇格できないというJ2の魔境の闇に飲み込まれましたね。
【J1昇格プレーオフ進出争いの顛末】
続いて、J1昇格プレーオフの最後の一枠を争った最終節の顛末です。
既にジェフユナイテッド千葉までがプレーオフ進出を決めていた前節までの状況により、最後の一枠を争うのはヴァンフォーレ甲府・モンテディオ山形・V・ファーレン長崎の3チームとなっていました。
最終節は、これまた日程くんの絶品と言えるマッチメイクになりました。
山形 - 甲府 NDスタ
千葉 - 長崎 フクアリ
同勝点で並ぶ6位の甲府と7位の山形が直接対決となりました。8位の長崎としたら、両チームが引き分けた場合のみ自身が勝てば逆転でプレーオフに進めます。山形と甲府にしてみれば勝てばプレーオフということで、最大のプレッシャーを感じる試合で最終節を迎えました。この追い詰められた状態で力を発揮しそうなのが、昨季の修羅場を何度もくぐり抜けてきた山形の火事場の馬鹿力ではないかと思っていました。しかし、ACLと並行しながらここまで踏みとどまってきた甲府の地力も認めていたので、終わってみるまで分からないというのが本音でした。長崎に関しては、究極の他力本願ではあっても、勝って踏みとどまりたい試合での相手がアウェーでの千葉という場面で、これも筋書きのあるような最終戦ですね。
試合結果です。
山形 2-1 甲府
千葉 1-3 長崎
この結果を受けての昇格プレーオフ進出チームが決まりました。
③東京ヴェルディ
勝点 75 得失点差 +26
④清水エスパルス
勝点 74 得失点差 +44
⑤モンテディオ山形
勝点 67 得失点差 +10
⑥ジェフユナイテッド千葉
勝点 67 得失点差 +8
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⑦V・ファーレン長崎
勝点 65 得失点差 +14
⑧ヴァンフォーレ甲府
勝点 64 得失点差 +10
直接対決を際どく制してモンテディオ山形が昨季に続いてプレーオフに滑り込みました。9月中旬の頃はファジの下の順位にいた山形が今季も終盤戦の粘りを発揮して最終順位は5位までのし上がって来ました。ファジとの違いが勝負処での底力の違いとメンタルの強さではないかと思います。ギリギリの状況を差し切る精神的強さが最終的に明暗を分けたのではないでしょうか?
同じく9月中旬までファジの下にいたジェフユナイテッド千葉は連勝に次ぐ連勝でプレーオフ圏内に上がっていきました。戦力を見てファジと大きく違わないのに勝敗を分けたのが、目標に向かって進む際のメンタルの違いなのでしょうね。
シーズンを通して昇格争いに加わってきたヴァンフォーレ甲府は最終節に敗れてプレーオフを逃しました。ACLと並行してのスケジュールの厳しさもあったでしょうが、最後の最後で逆転を許したのは諦めきれないでしょう。
2018シーズンに揃ってJ1から降格してきたアルビレックス新潟・ヴァンフォーレ甲府・大宮アルディージャの3クラブが2023シーズンを終えて明暗を鮮明にしました。昨季J2を制してJ1復帰を果たした新潟はしっかりJ1定着に向けて進んでいます。しかし、2018、2019シーズンこそ昇格レースをリードした大宮はその後低迷を極めて、遂に来季はJ3を戦うことになりました。大分、松本に次いで3チーム目のJ1経験クラブのJ3降格劇です。1シーズンでJ2に復帰した大分トリニータはその後J1復帰も果たしていますが、2021シーズンでJ3降格の憂き目にあった松本山雅FCはJ2復帰を果たせず苦しんでいます。大宮がJ2復帰を目指すなら1年で戻らないと難しくなりそうです。
最終節、アウェーでの千葉戦に快勝したV・ファーレン長崎でしたが、勝点差「2」で涙を呑む結果になりました。来季中に稼働が予定されているJR長崎駅前の新スタジアムの杮落しをJ1で迎えることはできませんでした。まあ、個人的には新スタジアムに行けるチャンスが広がったのは嬉しい話ですが・・(申し訳ございません) 終盤戦に入ってのもたつきが背後にたたったとも言えますが、この恐ろしさこそJ2だとも言えます。
今季を10位で終えることとなったファジ。来季も昇格争いに関わりたいのは山々なのですが、本気で昇格を目指してきた2年間で目標に届かなかったつけは大きそうです。どうなるかは不透明なまま、不安なオフに突入しますね。16年目を迎える魔境の戦い。そろそろ脱出したいのですが・・!!
見守っていきましょう。
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