MLB中継が日本国内でも盛り上がっています。ライト層に野球への興味を持ってもらうには、大谷翔平の活躍は大きく貢献していると思います。
しかし、MLB中継を視ていて抱く違和感が何となく興味を削がれます。そして、それが高評価を受けて日本にも影響するようになると困りものだと言わざるを得ません。
今季の目玉とされているのが、あのおぞましい「ピッチクロック」です。
野球は時間がかかるという理由でファン層の広がりに繋がらない。それを解消する為に導入実験を繰り返して今季MLBに導入されたピッチクロック(ピッチ・タイマー)です。
投球間のルール
・ランナー無しの状態でピッチャーは15秒以内に、ランナーが出ている場合は20秒以内投球動作に入らなければならない。バッターも同様にバッターボックスに入り8秒以内に打撃の体勢に入らなければならない。
・上記ルールにピッチャーが違反した場合はボール・ワンが、バッターが違反した場合はストライク・ワンが自動的に宣告される。
牽制間のルール
・ランナーが出ている状態で、ピッチャーがプレートを外す(牽制球を投げる・投げないに関わらず)と上記のピッチ・タイマーはリセットされる。(タイマーは0秒に戻る。)
ただしピッチャーは1人の打者に対する時に、3回までしかプレートを外す(牽制球を投げる、投げないに関わらず)事はできない。盗塁などでランナーが進塁した場合は、このタイマーはリセットされる。
・3回以内の牽制でランナーをアウトにできなかった場合は、ランナーは自動的に1ベースを進むことができる。
極端な守備シフトの禁止
守備側のチーム内野手4 人は、二塁ベースの両側(一二塁間、二三塁間)にそれぞれ2人づつ守備につくルール。極端な守備シフト(例えば一二塁間に3人の内野手が守備につくこと)を禁止するもの。
・上記ルールにおいては、外野手が前進守備をすることを禁止するものではないが、外野手を4人置く事は禁止している。
ベースサイズの拡大
15インチ(約38cm)四方だったベースは、18 インチ(約46cm)四方と大きくなる。 ただしホーム・プレートのサイズは変わらない。ベースが大きくなることでランナーと守備の選手の衝突や接触のリスクを低減する目的。
(参照:https://mlbtours.jp/?p=112231476)
ピッチクロックについては、投手、捕手、打者のみならず主審にも負担をかけることになります。野球観戦時にこの投球間の時間が気になるかというと、全く気にならない話です。それによってどれほどの時間を浪費しているかというのは、まあ検証しているのでしょう。結果も検証してほしいものですね。
牽制のルールに関しては野球の醍醐味を壊しかねないことなので、再考の余地を残すように感じます。
守備シフトに関しては、リスクを冒してやっていることなので好きにさせてやれとは思います。それに費やす時間を短縮したい意向なのでしょうが、要らぬ世話だと思いませんか?
ベースサイズの拡大については、結果の検証を待ちたいところです。ソフトボールのように一塁ベースが2枚とかになるよりはましかとは思いますが。
それよりも心配なのが、タイブレークです。延長タイブレークが正当化されて、日本国内で恒常化するとしたら、野球の根幹を揺るがす異常事態と言えます。野球は決着がつくまで続ける競技なので、日本的な引き分けもおかしい話ですが、早急な決着を求める姿勢には違和感しか感じません。
どんなにあがいても、野球は時間のかかる競技です。興味を持ち続けられるような面白い試合をすることが先なのではないかと思いますがどうでしょう?
せっかくWBCで盛り上がった野球が、公式戦になると冷めてしまうとしたら本末転倒です。難しい問題なのですがね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます