ファジアーノ岡山がJ1昇格プレーオフを無失点で勝ち抜き、遂にJ1初昇格を決めました。16年間の長きにわたる苦難と苦労の連続を思えば感無量でありますが、J1での戦いに関しては不安が先に来るというのは私だけではないでしょう。
しかし、まだ見ぬ景色を見ることができるというのはこの上ない幸せです。今はまず昇格したという事実を喜びましょう。
今季から、J3からJ2に昇格するチーム数が2から3に増加し、J3リーグ年間順位の3位~6位の4チームによるJ2昇格プレーオフが初めて実施されました。
また、J3最下位のチームはJFLへ自動降格、そして19位のチームはJFL2位のチームとホーム&アウェーの入替戦を実施します。
チームの入替が増えればリーグそのものも活性化されますが、入替戦はまだしもJ1昇格プレーオフ、J2昇格プレーオフの実施に対しては、NPBクライマックスシリーズの開催是非に関する討論と同様の議論が根強く残っています。「リーグ戦順位の軽視」「3位までの自動昇格が望ましい」などの意見は正論であります。昇格プレーオフの意義に関しては議論の分かれるところであるのは間違いありません。
J1昇格プレーオフは下記の4クラブによって行われました。
◇3位:V・ファーレン長崎
◇4位:モンテディオ山形
◇5位:ファジアーノ岡山
◇6位:ベガルタ仙台
準決勝で下剋上が起こり、5位のファジアーノ岡山と6位のベガルタ仙台が決勝に進出しファジアーノ岡山がベガルタ仙台を下してJ1昇格を果たしました。
出典:https://www.kataller.co.jp/
今季から実施されたJ2昇格プレーオフは以下の4クラブで行われました。
◇3位:カターレ富山
◇4位:松本山雅FC
◇5位:福島ユナイテッドFC
◇6位:FC大阪
準決勝は2試合とも「1-1」の引き分けとなり、年間順位上位の富山と松本が決勝に進みました。
そして、決勝は前半2点を取った松本が試合を優位に進め、後半34分まで2点をリードしていました。後半35分に碓井のゴールで富山が1点を返したのですが、松本1点リードのままでアディショナルタイムに突入。このまま松本のJ2復帰が決まったかと思われた後半アディショナルタイム3分に碓井のこの試合2点目のゴールが決まり、劇的なドローで試合終了。年間3位のカターレ富山が11年ぶりにJ2に復帰することが決まりました。
2009年シーズン、ファジと共にJ2に昇格したのはカターレ富山と栃木SCでした。昇格同期の栃木SCは今季J3降格が決まり、J2に復帰する富山と入れ替わることになりました。厳しい現実は全てのクラブに明暗をもたらします。
そして、今回初めて行われたJ3・JFL入替戦では高知がホームで「1-1」と引き分けましたが、アウェーで「2-0」とY.S.C.C.横浜を下してJ3初昇格を決めました。今季JFL1位の栃木シティのJ3参入は決まっており、加えて高知ユナイテッドSCがJ3に加わることとなりました。
それに伴って、いわてグルージャ盛岡とY.S.C.C.横浜がJFLへ降格します。これはかなり厳しい現実ですね。この2クラブには復活を遂げていただきたいと切に願いますが、現実は相当厳しくのしかかって来そうです。
ところで、J1とJ2の昇格プレーオフの是非論に対しての個人的考えを述べたいと思います。
リーグ戦軽視という意見は正論ではありますが現実的ではありません。これだけの盛り上がりを呼んだレギュレーションは実施しない手はありません。リーグ戦後半のプレーオフ争いを考えればリーグ戦の活性化にも繋がり、Jリーグ全体の人気も高まるものと思っています。
リーグ戦が終了した後でこれだけのビッグイベント開催があれば、リーグや対戦クラブにとってもプラスになることが多くあります。
NPBのCSが外せないビッグイベントとなっているのと同様にJリーグの昇格プレーオフの存在もJリーグに根付いたビッグイベントに成長しつつあります。やらない選択はないというのが今の考えです。
ともあれ、ファジアーノ岡山は来季初のJ1に戦いの舞台を移します。
これからも見守っていきたいですね。応援も更に強度を増して行きたいです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。