城山三郎氏の晩年の作品を集めた<嬉しうて、そして・・・>の中の<エリートたちはなぜ堕落したのか>より引用します。
昭和初期の宰相浜口雄幸は、狙撃された傷が治らず、野党に約束した国会への登壇など到底できぬ絶対安静の病状のとき、
<国会に出ると約束した以上は出る。総理たる者が約束を守らなければ、国民は何を信じて生きていけばよいか>
と言い、医者をふりきり、まさに幽鬼のような姿で国会に立った。
城山氏にとっての理想のエリートとして、浜口雄幸氏を例示しています。城山氏は1989年にこの文章を書いてしました。
エリートは国民より尊敬を受ける存在であってほしいと願っています。