経営と医療の違いは？

車、オートバイで有名なホンダは、正式には本田技研工業（株）と言います。第二次世界大戦後に誕生した世界的な企業として成功したのは、有名です。創業者の一人の本田宗一郎氏の名前に由来する名称です。技術開発を担当するのが本田氏で、それ以外の経営を担当していたのが、藤沢武夫氏です。この藤沢氏の著書、＜松明は自分の手で＞を読みました。経営の関する心掛けが、書いてありました。

『自動車企業の中には、前に行くものの灯りを頼りに、ついてゆく行き方をする会社もある。しかし、たとえ小さな松明であろうと、ホンダは自分でつくった松明を自分の手で掲げて、前の人たちには関係なく好きな道をあゆんで行く企業とする。』このように、後発の企業が這い上がる方針を述べています。他人の模倣をせず、独創を武器に、人の先を行こうとする企業であろうとしています。

『禍を福に転ずることができるかどうかは、経営者が仕事の根本にかえって問題を考え、大胆に行動しうるかどうかにかかっていると思いますね。』
『企業がスムーズに展開されて障害がなく、これからも同じように阻害されるべき要素を、未然に探求しておくことが、私は、経営だと思っている。』

普通の経営は、現在の症状から病名を特定させて的確な治療方法を行う医療に似ています。優れた経営は、今後予想される症状・疾患を未然に予知し患者に予防方法を指導する医療に似ています。医師の養成プログラムはあり、患者さんごとに学んで経験が増え、技量が上がります。

医師と違い経営者が難しいのは、問題点の検査方法や治療方法や予防方法に関して、個別の一企業の立場で状況に求められている適切な方法を即座に自分の頭で考えなくてはいけない点です。