(「河北新報」平成28年4月18日(月)付け記事より引用)
障害者の就職や社会参加を手助けする就労移行支援事業所「就労サポートセンター とれいん」の新施設が今月上旬、宮城県気仙沼市本郷に完成した。知的、身体障害者ら13人がパソコンやマナー、文章理解などを学ぶ。新施設実現の原動力となったのは、交通事故の後遺症を負った息子を支えてきた母親らの思いだった。
施設は一般社団法人コ・エル(気仙沼市)が建設、運営する。木造平屋約180平方メートル。定員20人。相談支援センター「じょいん」を併設し、障害者が働く喫茶店も開く予定だ。
とれいんは2013年5月に仮設施設でスタートした。東日本大震災後、「高次脳機能障害」を抱える市内の家族や市立病院の関係者らが毎月開催した地域交流会がきっかけとなった。
高次脳機能障害は交通事故などで脳に損傷を受けて記憶力や注意力が低下する障害だが、広く知られておらず支援が不十分だった。
この交流会に参加した一人が同市の看護師で施設の管理者を務める小林明美さん(52)。小林さんの長男孝平さん(26)は18歳の時にあったバイク事故の後遺症で、この障害を抱えていた。交流会を通じて「自分たちで施設をつくろう」と決意した。
小林さんは「被災地は人手不足と言われるが、障害を抱える息子は書類選考の段階で落とされた。『就職したい』という思いをくめるよう、より社会性を身に着けられる就労支援がほしかった」と振り返る。
施設スタッフの指導のおかげで、これまでに孝平さんを含む4人が市内に就職を果たした。
13年から通所して図書館司書の資格を取得した女性は「何もできないことを病気のせいにしてきたが、とれいんのおかげで、もう一度、夢に向かおうと思った」とほほ笑む。
施設は、仙台市で就労支援に取り組むNPO法人「ほっぷの森」が発足当初から運営を支えてきた。
小林さんは「他の事業所とも連携し、生きづらさを抱える人々を支えたい。社会の理解も深まってほしい」と話した。連絡先は0226(25)9123。
障害者の就職や社会参加を手助けする就労移行支援事業所「就労サポートセンター とれいん」の新施設が今月上旬、宮城県気仙沼市本郷に完成した。知的、身体障害者ら13人がパソコンやマナー、文章理解などを学ぶ。新施設実現の原動力となったのは、交通事故の後遺症を負った息子を支えてきた母親らの思いだった。
施設は一般社団法人コ・エル(気仙沼市)が建設、運営する。木造平屋約180平方メートル。定員20人。相談支援センター「じょいん」を併設し、障害者が働く喫茶店も開く予定だ。
とれいんは2013年5月に仮設施設でスタートした。東日本大震災後、「高次脳機能障害」を抱える市内の家族や市立病院の関係者らが毎月開催した地域交流会がきっかけとなった。
高次脳機能障害は交通事故などで脳に損傷を受けて記憶力や注意力が低下する障害だが、広く知られておらず支援が不十分だった。
この交流会に参加した一人が同市の看護師で施設の管理者を務める小林明美さん(52)。小林さんの長男孝平さん(26)は18歳の時にあったバイク事故の後遺症で、この障害を抱えていた。交流会を通じて「自分たちで施設をつくろう」と決意した。
小林さんは「被災地は人手不足と言われるが、障害を抱える息子は書類選考の段階で落とされた。『就職したい』という思いをくめるよう、より社会性を身に着けられる就労支援がほしかった」と振り返る。
施設スタッフの指導のおかげで、これまでに孝平さんを含む4人が市内に就職を果たした。
13年から通所して図書館司書の資格を取得した女性は「何もできないことを病気のせいにしてきたが、とれいんのおかげで、もう一度、夢に向かおうと思った」とほほ笑む。
施設は、仙台市で就労支援に取り組むNPO法人「ほっぷの森」が発足当初から運営を支えてきた。
小林さんは「他の事業所とも連携し、生きづらさを抱える人々を支えたい。社会の理解も深まってほしい」と話した。連絡先は0226(25)9123。