泉区生活支援ネットワーク

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<とびらを開く>心の自立に寄り添う 認定NPO法人Switch(「河北新報」)

2019年05月21日 | 施設情報
(「河北新報」令和元年5月20日付け記事より引用)
 新しい環境や人間関係に身を置くと、ストレスなどで体調を崩すことはないでしょうか。厚生労働省によると、うつ病や統合失調症、神経症性障害といった精神疾患を抱える人は2008年に約104万人、11年には3倍以上の320万人に増加。いわゆる四大疾患より多い状況です。

 発達障害の傾向を指摘されながら正式な診断に至らない「グレーゾーン」の人たちも多くいます。大人になって「うまくいかない」「なじめない」とストレスを抱え、他の精神疾患症状を併発してしまうのです。

 認定NPO法人Switch(仙台市)は11年から「誰もが自分らしく学び、働ける社会」を目指し、障害福祉サービスを活用した精神障害者の就労移行支援に取り組んでいます。

 活動の中で目を向けたのがグレーゾーンの人たち。見た目で分からず周囲からの理解を得られにくいため、不登校や引きこもりになり、孤立する人も少なくありませんでした。

 法人は「早期介入・予防が必要」と判断。障害福祉サービスを利用しない自主事業として13年、若者の就労・就学を支援するユースサポートカレッジを石巻と仙台両市で開講しました。

 うち「仙台NOTE」には10~30代の三十数名が通っています。大学生や専門学校生、既卒や数年の勤務経験がある第二新卒など20代半ばごろまでが6割。いずれも働くことや学ぶことに困難を抱えています。

 総括ディレクターの小関美江さんは「ネット上でコミュニケーションを取る時代。人間関係を築くのが苦手な若者が増えている。一方で、社会に出た途端、高い会話力を求められて対応しきれず自信を失い、心の元気をなくす方が多い」と話します。

 Switchは個別状況に合わせた就労準備支援や職場体験を行っています。力を入れているのはリカバリープログラム。認知プログラムやメンタルヘルスで物の考え方や捉え方、ストレスマネジメントを学んで心の自立を手助けします。

 「本人に『働きたい』という希望があれば一般の職に就ける」という信念の下、本人がどう生きたいかを引き出し、強みを生かした計画を立てて進めます。

 生きづらさを抱える人たちに対しては専門的支援の充実が必要です。一方で、障害名や病名を付けることが、新たな「区別」や「孤立」を生みます。「共生」への第一歩は、私たちが互いに多様性を許容していくことではないでしょうか。
(特定非営利活動法人せんだい・みやぎNPOセンター 松村翔子)

◎認定NPO法人Switch

〒983-0852仙台市宮城野区榴岡1の6の3東口鳳月ビル6階
電話022(762)5851=平日午前9時~午後5時
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