泉区生活支援ネットワーク

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喫茶形式の授業導入~宮城教育大学附属特別支援学校~

2010年07月03日 | 特別支援学校・特別支援教育
(河北新報平成22年7月2日(金)付け記事より)
接客通し対人関係磨
 「豊かな社会参加につながる授業作り」をテーマに、宮城教育大付属特別支援学校(仙台市青葉区)は先月、本年度の公開研究会を開いた。高等部は、社会参加を目指そうと一昨年から取り組む「喫茶」形式の授業を公開。生徒のコミュニケーション能力が向上するなどの効果が報告された。

 ●年に2週間体験
 喫茶店を模した教室に、高等部の生徒の声が響く。
  「いらっしゃいませ、お客さまは何名様ですか」「テーブルナンバー2に、アイスコーヒーーつとウーロン茶一つお願いします」

 接客、キッチン、洗い物、備品準備の各担当に分かれた8人が、約40分の「営業時間」の間、飲み物をコップについだり、客に注文の品を出したりした。
 生徒は事前に「客の顔を見ながら話す」など、この日の目標を設定して臨んだ。授業後、撮影したビデオを見ながら、目標の達成度を確認した。

 高等部の根来恵子教諭は「少し失敗もあったが、普段接することのない人に対しても、落ち着いて接することができていた」と総括した。

 高等部は、キャリア教育の視点も交え、入とのかかわりを体験する授業として喫茶形式を導入した。全生徒が年間に2週間取り組む。飲食店経営者を招いて社会人のマナーを学ぶほか、実際の喫茶店で接客も体験する。

雇用環境の変化に対応
 ●個々の課題把握
 授業を試行した背景の一つに、働く環境の変化がある。生徒が卒業後に働く機会が多い福祉作業所では、販売など接客の機会が増えている。サービス業など一般企業の雇用も増え、同校では過去5年間、卒業生の4分の1がサービス業に就職したという。

 佐藤英明教諭は高等部の分科会で「喫茶で見えた課題から、その子に合った手だてを考えたことで、落ち着いて働けるようになった」と、生徒の変わりようを紹介。ほかの授業でも、仲間とコミュニケーションがスムーズになるなどの成果を報告した。

 一方で、実施時間の短さや、ほかの作業学習とのつながりの難しさなどがあるという。
 宮城県石巻支援学校の鈴木真利子教頭は「子どもたちがかかわる力を持つためには、教師が生徒一人一人にとって何か必要かを把握した上で、それを教育課程に取り入れる仕組みをどう作るかが課題になる」と話した。
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