(「河北新報」令和6年3月16日付記事より引用)
社会福祉法人「チャレンジドらいふ」(仙台市泉区)の植物工場「ソーシャルファーム大崎」が宮城県美里町に完成し、現地で15日、落成式が開かれた。障害者就労施設の利用者を雇用し、経済的自立を目指す全国初の「脱福祉」事業で、売上高年4800万円を目指す。
工場は栽培面積約2800平方メートル。サラダホウレンソウを4月中旬から出荷する。収量は最大年54トンで大手コンビニチェーンやスーパーに納入する予定。
整備費約2億7000万円は日本財団が助成し、県が本年度の運営費1000万円を支援する。
法人は工場近くの就労継続支援B型事業所「ボーノボーノ大崎東」を廃止し、利用者11人をパートとして雇用。月1万7000円だった工賃に代え、8万円前後の給与を支払う。パート職員の高島快斗さん(24)は「種まきや定植を頑張る。給料は服や欲しいものを買い、残りは貯金します」と話した。
式典には村井嘉浩知事や日本財団の尾形武寿理事長ら約60人が参加。法人の白石圭太郎理事長は「人的資源を最大限に生かすことが社会の発展につながるということを、全国に発信したい」と話した。
「ソーシャルファーム」は障害の有無にかかわらず、多様な人の社会参画を促す就労施設。社会保障費の抑制につながるとされ、日本財団は全国への展開を目指す。