泉区生活支援ネットワーク

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障害者大量失職(河北新報)2

2024年08月16日 | 就労・生活自立
(「河北新報」令和6年8月14日付記事より引用)
一方的に閉鎖利用者困惑
自治体、実態追い切れず
 少なくとも全国で約5千人の障害者が解雇や退職となった「就労継続支援A型事業所」。一部では事業所が一方的に閉鎖を通告し、利用者が困惑するケースも出ている。自治体は実態を追い切れておらず、福祉と労働行政の縦割りも壁になっている。               (1面に関連記事)

 経営厳しく
 「もうちょっと早く言ってほしかった」。軽い知的障害がある大阪府の男性(24)は、そうこぼした。
 男性は約5年間、府内のA型事業所でホテル清掃やチラシ配りの仕事に従事。利用者は約30人いた。月約10万円の賃金を得ていたが、今年4月下旬、突然「5月末で閉鎖する」とスタッフから聞かされた。

 男性は5月末で解雇。運営会社の社長は取材に対し「国による4月の報酬改定の影響で経営が厳しくなった。利用者には再就職先をあっせんしている」と話した。だが、男性は「複数の事業所による転職説明会はあったが、それだけで、毎日のようにハローワークに通っていた利用者たちもいた」と証言する。
 男性自身も、運営会社ではなく相談支援事業所の紹介で別のA型に就職。「なぜ閉鎖するのか理由の説明もなく、いきなりだったので不安になった」と振り返る。

 「A型難民」
 A型事業所の大量解雇は、今回が初めてではない。以前は国の報酬や助成金で利益を上げられる構造だったため、営利目的の事業者が次々と参入。悪質な事業者を排除するため、厚生労働省が2017年に報酬の支給要件を厳格化した際も、岡山県などで閉鎖が相次ぎ、社会問題となった。
 ただ、その後も質の低いA型は残り、厚労省は経営改善計画を提出させるなどしてきたが、状況はあまり変わらなかった。そこで、今年4月の報酬改定では事の収益で障害者の賃金を支払えていない場合は、報酬を大幅に引き下げた。経営が成り立たなくなった事業所が閉鎖に追い込まれている形だ。
 共同通信の調査では、自治体の4割が閉鎖について報酬改定の影響が「あると思う」と回答。1割強は閉鎖が「さらに増えると思う」と答えた。
 「存続しているところも経営が厳しくなって余裕がないため、A型を利用したくてもできない『A型難民』が出ている」。事業者からはそんな声も聞かれた。
 行政間の壁
 障害者総合支援法は、障害福祉の事業者に対し、閉鎖の際は利用者がサービスを継続的に受けられるよう調整することを責務と定めている。障害者団体などによると、閉鎖したA型の中には、対応が不十分だったケースが複数あるとみられるが、共同通信の調査に「問題例があった」とする自治体は一つもなかった。
 厚労省は自治体に対し、閉鎖の届け出があった場合は利用者のリストなどを提出させるよう求めている。ただ、一部の自治体は提出させておらず、事業所から話を聞くだけで済ませていた。
 A型はほかの障害褐祉サービスと違い、利用者が運営事業者と雇用契約を結ぶのが特徴。行政の所管も福祉と労働にまたがる。解雇された人はハローワークなどに相談に行く例が多いとみられ、利用者側の話は自治体に入りにくい。
 厚労省は「ハローワークが自治体と連携し、希望に応じてきめ細かく再就職を支援する」としているが、情報共有が十分されているとは言えない状況だ。





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