新座市南東部の市有地「妙音沢緑地」に新種とみられるサクラが見つかり、話題になっている。
地元では珍しいサクラだと言われていた。14年に「日本花の会」に調べてもらったところ、「突然変異の新種と言える」との回答を得た。
須田健治市長は記者会見で、「ミョウオンサワハタザクラ(妙音沢旗桜)」と命名したと明らかにし、市の天然記念物への指定や、その並木作りをしたいと発表していた。
15年、市の観光課に満開の予定を確認、出かけてみると、その名を示す看板も立ち、サクラ好きの花見客やカメラマンの姿が見られた。黒目川にかかる斜長橋「市場坂・橋」が目印だ。
花とともに薄緑の葉も出ており、一見すると「オオシマザクラ」に見える。花びらが真っ白なのは同じだが、枚数が多いのに気がつく。(写真)
「旗桜」は、通常の5枚の花弁のほかに、おしべが花びらのように変化してできる、旗のような「旗弁(きべん)」が5枚ほどあり、花びらが二重についているように見えるので、その名がある。
東京都文京区の白山神社の「白山旗桜」が有名だ。
県内では、志木市柏町3丁目の「長勝院旗桜」がある。東上線柳瀬川駅から歩いて行ける。
1998年、新種と認められ、市民の木に指定されている。樹齢は400年以上、樹高11.2m、目通り3.07mの老桜でヤマザクラの変種だという。今は一本ではなく、近くにも植わっているし、志木市の市役所前にもある。さいたま市桜区の区役所の構内でも見かけた。
寺はすでに解体されて今はなく、この老桜だけが名残を留める。(このブログのカテゴリー「盆栽・桜・・・」参照)
「妙音沢」とは風流な名前だと思っていた。斜面に雑木林が茂る典型的な武蔵野台地のハケ(段丘崖)。崖下から豊富な地下水が湧いていて(毎分1t)、すぐ近くの黒目川に流れ込むまで約100m流れる。そのさらさら流れる音からついた地名だ。
この湧き水は08年、環境省から「平成の名水百選」に選定された。水遊びはOKだが、飲み水には使えない。斜面林は約3.3haでカタクリやイチリンソウも咲く。
「妙音沢緑地保全地域」になっていて、木橋も整備されている。
黒目川の堤のほか、近くの市営墓園の裏の栄緑道の桜並木は素晴らしく、市民の花見場所になっている。
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