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小水力発電 白幡発電所 さいたま市

2013年07月09日 09時31分24秒 | 川・水・見沼
小水力発電 白幡発電所 さいたま市

さいたま市水道局が年に3回発行している「水と生活」をたまたま目にして、12年4月号をめくっていると、住んでいるマンションの同じ通り、それも目と鼻の先に「小水力発電」をしている「白幡発電所」という発電所があることが分かった。

発電所というと、北陸の「黒部ダム」のように、大きなダムに水を蓄え、その落差を利用してタービンを回し、大量発電するものと思い込んでいた。

地震と大津波による福島原発の破損以来、どうして電力を確保するかが日本の大きな課題になっているのはご承知の通りだ。

「秩父地方を除いて、山もダムもない埼玉県のような平地でどのようにして発電するのだろう」。

好奇心だけは人一倍高いので、水道局にぜひ一度見せて欲しいと頼んでいたら、5月10日、「白幡配水場」の裏にある“発電所”に案内してもらえた。

その東側は、「親水公園」になっている。入り口は反対側にあって、階段を上って、何度か散歩に来たことがある。子供を遊ばせたり、本を読んだりするのに最適だ。

この配水場には1万トンの配水地が二つあるので、その上を緑地に利用しているのだ。

発電所というと、すぐ「縦のライン」を考えがちだが、ここには落差を生ずる大きな貯水タンクがあるわけでもない。

写真のように発電所が「横のライン」に寝ているのである。

なぜそれで? 説明を聞くと

この水は、さいたま市西部の荒川に近い県営大久保浄水場から来ている。ちょっと上流の取水口で取水した荒川の水を浄水して流してくる。

浄水場と配水場に高低差がほとんどないので、流すためにはポンプで圧力を加える必要がある。

1時間に1200トンもの水が流れてくるので、その圧力と流量を利用して、横に寝ている水車を回して発電するのである。

運転開始は04(平成16)年で、年間発電量は約41万kw。

一般家庭の約120軒分とのことだが、配水場の動力として使われているので、外には出せず、この配水場の必要電力の21%をまかなう程度である。ざっと年間400万円かせいでいる勘定とのこと。

水は24時間流れて来て、発電し続けているわけだから、夜には必要電力を超すこともあり、その際にはシャットダウンする。

環境庁が半分負担する補助事業で、総工費4千万円。すでに、モトはとっている。

身近な発電施設には屋根などを利用した太陽光発電がある。太陽光や風力に限らず、こんな小規模発電も近所にあるのだと知って参考になった。







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