西洋ならともかく、日本ではなじみの薄い楽器「ハープ」のことを、どれほどご存知だろうか。
たまにオーケストラを聞きに行くと、大きな楽器があることは見てはいても、その独奏や合奏も聴いたことはない。
私がハープ=竪琴で忘れられないのは、市川昆監督の映画「ビルマの竪琴」で、水島上等兵がインコを肩に、小型のビルマ式竪琴を抱えている姿である。
11年11月19日(土)、音楽都市だと宣言している草加市の文化会館で国内最大級の「国際ハープフェスティバル」のファイナルコンサートが開かれるというので、驚いて聴きにいった。
会場は後部を除いて女性を中心にほとんど埋まっていて、毎年すでに23回になるというので二度驚いた。
最終日とあって、「第23回ハープコンクール」の入賞者の表彰式から始まった。ハープコンクールは、アジアではここだけ。一流ハーピスト(演奏者)の登竜門になっていて、韓国や中国からも応募者があるという。.
今回はプロフェッショナル部門が対象で、52人の中から武蔵野音大4年の佐藤理絵子さんが1位に選ばれた。その演奏が、私にとってハープの独奏を聴く初めての体験になった。
世界的なハーピスト、シャンタル・マチュー氏(フランス 02年第8回世界ハープ会議議長)の独奏もあり、「リラックス時に出るアルファ波の出現を促す」というハープの音色を実感できた。
圧巻は、グランドハープ(大型ハープ)19台が、舞台に勢揃いしたフィナーレの「グランドハープ・アンサンブル」だった。 (写真)
指揮者で国立音大名誉教授の増田宏三氏が、第一回のフェスティバルのために作曲した「菊の花の祭り」という日本風の曲で、初めて見る大合奏の迫力に圧倒された。毎回最後に演奏される。
「なぜ草加で国際ハープフェスティバル」? この疑問をいろいろ聞いてみると、始まった1989(平成元)年当時、草加市原町にある上野学園短期大学に音楽学部があり、日本ハープ協会会長も務めたヨセフ・モルナールさんが、ハープ専科で教えていた。知り合いの当時の今井宏市長が「何か草加にも文化的なことを」と始めたのだという・
このフェスティバルは、文化会館の枠の中にとどまらない。11月初めからお寺や病院、駅、小学校で“出前コンサート”が開かれ、草加は「ハープのまち」(田中和明市長)になり、知られるようになっている。
市内には市民による「レバーハープ・アンサンブル」などもあり、文化会館などでハープ教室も開かれている。
市は1993(平成5)年
綾瀬(川)のほとりにメロディー流れ
草加のまちなかにリズムあふれる
人々の心にハーモニー生まれ
・・・
という「草加市音楽都市宣言」を制定した。
音楽は、私には歌謡曲くらいしか分からない。だが、小さい頃から音楽は何でも聴くのは大好きで、「煎餅の草加」に対する見方を改めた。
ハープの弦は最初、弓の弦だったと伝えられ、世界の歴史の中で、最古の楽器の一つ。旧約聖書には、ダビデ王も奏でたとされる。
ダビデ王もびっくり草加の弦の音 柳三
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