新古今和歌集の部屋

兼載雑談3 顕昭と寂蓮

兼載雑談

一、顯昭は大才の人なり。寂蓮は無才覺の人なり。顯昭は
歌の下手なり。寂蓮は上手なり。顯昭云、歌はやすきも
のなりけるよ、寂蓮程無才覺なれどども、歌をばよくよ
むと云へりけてば、又寂蓮云、歌は大事のものなりけるよ。
あれほど大才なれども歌は下手なりけると云ひければ、我
程歌をよめ。よまむ事、我等などは難かるべしといひしな
り。實にも寂蓮は器用なればこそ、俊成の嫡子に兵部卿成
家といふ人ありしかど、無器用なるにより、寂蓮を歌道の
養子にせられしなり。其の後定家といふ子出來て後の寂蓮
は斟酌せしなり。寂蓮は俗名中務少輔定長といへり。
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