三十六歌仙 公:公任 俊:俊成 藤原高光 かくばかりへがたくみゆる世中に浦山しくもすめ○月哉 公 俊 筆者不明 かくばかりへがたくみゆる世中にうらやましくもすめる月かな 公 俊 四辻季賢筆 かくばかりへがたくみゆる世中にうらやましくもすめる月かな 公 俊 画家不明 小大君岩橋の夜の契りも絶えぬべし明くる侘しき葛城の神 公 俊 松風(画家不詳)中務 秋風の吹につけてもとはぬかなおぎの葉ならば音はしてまし 俊 画家不明 うぐひすの聲なかりせば雪きえぬ山里いかではるをしらまし 公 柳原姓千巌 藤原仲文有明の月の光をまつほとにわか世のいたく更にける哉 公 俊 日野弘資筆清原元輔秋の野の萩の錦を古里に鹿の音ながら移してしがな 公 松風(画家不詳)我が宿に→古里に 音なしの川とぞつゐにながれ出るいはでものおもふ人のなみだは 公 画家不明 大中臣能宣千とせまでかぎれる松もけふよりは君にひかれて万代よろづよやへむ 俊 画家不明 千とせまでかぎれる松もけふよりは君にひかれて万代やへん 俊 筆者不明 源順 水のおもにてる月なみをかぞふればこよひぞ秋のもなか也ける 公 俊 画家不明 水のおもにてる月なみをかぞふればこよひぞ秋のもなかなりける 公 俊 富小路貞維筆 壬生忠見恋すてふわがなはまだき立にけりひとしれずこそおもひそめしか 俊 一条院宮真敬筆 恋すてふ我名はまだき立にけりひとしれずこそ思ひそめしか 俊 筆者不明 戀すてふ我名はまだき立にけり人しれずこそおもひ初しか 俊 画家不明 平兼盛くれて行く秋のかたみにおく物はわがもとゆいの霜にぞありける 公 俊 近衛家熈筆 暮て行秋の形見にをく物は我もとゆひの霜にぞ有ける 公 俊 画家不明