伊勢物語繪詞 あしべ より みち くる しほの いや まし に 君に こゝろを おもひ ます かな かは をいかで 思ふ心 江に り こも 舟 さす さほの さして しる べ き 芦辺 むかし、男、津の国、莵原の郡に通ひける女、このたびいきては、または来じと思へるけしきなれば、男、 あしべより満ちくるしほのいやましに君に心を思ひますかな 返し、 こもり江に思ふ心をいかでかは舟さす棹のさしてしるべき