これは、わだすの婆さまがわらしの頃、その婆さまから聞いた話だ。
慶応元年生れの婆さまがその家に嫁いで来た明治15年の春頃のことだ。
わだすの婆さまが生まれた家は、村の小高い所に有って、その20間ばかり離れた上の段にお稲荷さんのお堂が有ったんだ。
春の田打ちで、家の者は皆田んぼに出ていて、昼休みになったんで、婆さま一人家に戻って来て休んでいたんだど。
そしたら、誰だか稲荷さんの方から「ポン、ポン」と太鼓を叩きながら下りて来る。「誰だべ?今時、太鼓鳴らして。」と思っているとどんどん近付いて、家の縁側に「カカカッ」と太鼓置く音が聞こえたんだ。
そんだで、婆さま障子の破れた所からそっと覗いて見たんだど。そしたら十歳位のわらしっ子、面が真っ青で、眼(まなぐ)がつり上がっていて、青い縞の袖無しを頭から被って、じっと家の中を覗き込んでいたんだど。
婆さま、これを見て頭から水掛けられたようになって、背中ぞくぞくして動けなくなって、ガタガタ震えていたんだど。
それから暫くして、「カカ、カカン」て太鼓持つ音して、「ポン、ポン」と太鼓叩きながら、稲荷さんの方へ上がって行く音がしたんだど。
婆さま、ようやく震えが止まって、障子を開けて見てみたけれど、もうわらしっ子の影も形もなかったんだど。
これはある東北の民話集の中に有った話である。その地域は度々UFOの目撃例があるので有名だそうだ。
この話を聞くと、単に子供を脅かす為に作った創作とは思えない。
明治15年、春の田打ち頃のお昼と時期がハッキリと記憶されている。
もし、世界中で目撃情報がある小人型グレイを明治時代の人が見たら、「面が真っ青で」、「眼がつり上がっていて」、「青い縞の袖無しを頭から被って」と表現するのでは無いか?青い宇宙服を着て、太鼓に似た機器を持ったグレイ、そう捉えても良いのでは無いだろうか?
稲荷の遣いの狐と捉えたのだろう。
貴方は、この話を信じますか?
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