さ くら あさ の
おふの
うら波たち
かへ
り
見れ共 あかぬ
山 な し
の花
新古今和歌集巻第十六 雑歌上
題知らず
源俊頼朝臣
さくらあさのをふの浦波立ちかへり見れどもあかず山梨の花
よみ:さくらあさのおうのうらなみたちかえりみれどもあかずやまなしのはな 隠 選者無
意味:桜麻のおうの浦波が立って返る様に、何度も立ち帰ってみても山梨の花は飽きない
備考:歌集の散木奇歌集によれば、梨の花盛なりけるを見てよめるとある。桜麻のはおふを導く枕詞。新古今注によると桜麻は麻の一首。又、をふは伊勢の歌枕とあるが、をふは志摩の鳥羽市浦村町に片枝梨神社があったとされ、そことも言われる。本歌 をふの浦に片枝さしおほひなる梨のなりもならずも寝てかたらはむ(古今集 東歌 伊勢うた)
本阿弥光悦書
俵屋宗達下絵 メヒシバ(雌日芝)刷絵新古今和歌集断簡
俵屋宗達下絵 メヒシバ(雌日芝)刷絵新古今和歌集断簡
本阿弥光悦(書)
俵屋宗達(下絵)
「歌切 山なしの花(工芸印刷)」
発行:講談社
1998年11月20日
歌切 山なしの花 解説 講談社
東京大学名誉教授
日本の美術史学者。東京大学名誉教授、群馬県立女子大学名誉教授。近世初期の長谷川等伯、俵屋宗達、尾形光琳など琳派の研究が専門。
令和4年8月27日 參點陸