西へゆくしるべとおもふ月かけの空だのめこそかひのなけれ
返し 西行法師
立ち入らで雲まにわけし月影はまたぬけしきや空にみえけむ
人の身まかりける後結縁経供養しける
に即住安楽の心をよめる
瞻西上人
むかしみし月の光をしるべにてこよいや君が西へ行く覧
勧心をよみ侍ける
西行法師
やみはれて心の×××××月は西の山辺や
ちかくなるらむ
新古今和歌集 巻第二十釋教歌
西行法師を呼び侍りけるに罷るべき由をば申しながらま
うで來で月の明かりけるに門の前を通ると聞きてよみ
て遣はしける
待賢門院堀河
西へ行くしるべとおもふ月影の空だのめこそかひなかりけれ
返し 西行法師
立ち入らで雲間に分けし月影は待たぬけしきや空に見えけむ
人の身まかりける後結縁経供養しける
に即住安楽の心をよめる
瞻西上人
昔見し月のひかりをしるべにて今宵や君が西へ行くらむ
勸心をよみ侍りける
西行法師
闇晴れてこころのそらにすむ月は西の山辺や近くなるらむ