新古今和歌集の部屋

春歌下 大内花見

新古今和歌集 巻第二春歌下

 ひととせ忍びて大内の花見にまかりて侍りしに庭に散りて侍りし花を硯の蓋に入れて摂政のもとにつかはし侍りし

         太上天皇

今日だにも庭を盛とうつる花消えずはありとも雪かとも見よ

 

 返し      摂政太政大臣

さそはれぬ人のためとやのこりけむ明日よりさきの花の白雪

読み:きょうだにもにわをさかりとうつるはなきえずはありともゆきかともみよ
意味:今日は既に大内の庭の桜も盛を過ぎているので、消えずに残っている雪かとも見て下さい。
備考:建仁三年二月二十五日
本歌:けふ来ずは明日は雪とぞ降りなまし消えずはありとも花とみしまし(伊勢物語)
今朝見れば夜半の嵐に散り果てて庭こそ花の盛なりけれ(金葉集春 藤原実能)

読み:さそはれぬひとのためとやのこりけむあすよりさきのはなのしらゆき
誘われない私のために残っているのですね。「明日」ではない今日の花、いわゆる「白雪」なのですね。
本歌:けふ来ずは明日は雪とぞ降りなまし消えずはありとも花とみしまし
千本丸太町太極殿跡 京都御所左近桜

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「新古今和歌集」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事