新古今和歌集の部屋

百人一首一夕話 25 巻之九 2 蔵書


従二位家隆  歌譯
 家隆卿寂蓮の婿たりし話      一代の詠歌六万首ありし話
 家隆の歌を亡室軆といふ話     天王寺にて七首の歌を詠せらるゝ話
 家隆塚の話            子息隆祐の話
後鳥羽院  御製譯
 高倉院御譲位の話         頼朝豆州に兵を起す話
 義経黄瀬川にて頼朝に對面の話   木曽義仲筑摩川合戦の話

 平家安徳帝を奉じて西國に落る話
 範頼義経義仲を討話        静吉野に捕はるゝ話
 政子静に舞所望の話        後鳥羽院御譲位の話
 後鳥羽上皇刀劍をうたせたまふ話  強盗交野八郎の話
 上皇白拍子亀菊を寵したまふ話   上皇鎌倉を亡さんと謀りたまふ話
 鎌倉の大軍上洛の話        宇治勢多合戦の話
 上皇を鳥羽殿へうつし奉る話    上皇隠岐國へ遷幸の話
 遠所歌合の話           上皇隠岐にて崩御の話
 北条時頼上皇の祠を鶴岡に建る話  水無瀬の社の話
順徳院  御製譯
 佐渡の國に遷幸の話        土御門院遠國へ遷幸の事を希みたまふ話
 土御門院土佐より阿波へ遷幸の話  中山にて大雪にあはせたまふ話


 土御門院の若宮八幡宮の神慮によりて御即位の話


        徹山
 むかしとふ
  袖ぞしぐるゝ
     をぐら
       山
そむる
 紅葉
  の
秋ならね
  ども


漢土におゐて、筆
跡のもっとも高價
なるものは、右軍の
書なり。千金を以て
もとむるとも得がたし。
かの小倉の色紙に
いたって、世多く傳
ふる有といへども、
其真を得ることの
かたき、右軍の
書に相似たり。今
家々に秘し傳る
ものは、白川候の
集古十種に
   あげたり

※右軍
王 羲之。中国東晋の政治家・書家。字は逸少。右軍将軍となったことから世に王右軍とも呼ばれる。


いざよひ日記に
      いふ
廿五日菊川を
出てけふは大井
川といふかはを
     わたる
  水いとあせて

 きゝしには
   たがひて
 わづらひなし
  かはらいくり
      とかや
   いとはるか
       なり
   水のいでたらむ
  おもかげ
     おし
     はからる




後京極殿、
家隆卿に、
當時の歌
よみは何れと
問はれしに、遂に答へず
わずかにたゝふ紙を落
して立れるに、ひらきみ
られしに、定家の歌きし
あり。是いはゆる公孫竜が
如き、 弁を以て人をふく
するにあらず。只理をもて
       これをいふ


以圖果報ヲ
之念ヲ、而學ヒバ
佛ヲ、終無シ
成佛之日、
矣、學佛ヲ
者、従慧
眼入レバ較
易シ

家隆卿和歌の達
人にして、後亦佛
法に志し、天王寺
のほとりに、庵を
結び、遂に往生
の素懐をとげ
らる。其期の尊

とき、
高僧
といへ
  ども
及ざる
に似
たり

これいはゆる
慧眼の人
ならん哉

コメント一覧

jikan314
Re:ライブ
のしてんてん様
再度お褒め頂き、穴に入って隠れたいですが、私のその時感じた物を愚詠で汲み取って頂き、感謝申し上げます。
ライブハウスの入口が分からず、ビル一画を3周し、やっと地階に有る事が分かり、地下にはライブハウスが2店あって迷い、始まる1時間前で、殆ど人はおらず、間違ったと思いつつ、店員から聞き、時間前だと分かり、少し安心してビールを頼み、椅子に座って飲み始めました。
ミラーボールはくるくると回り、BOSEスピーカーはこれでもかと騒音のレコードを流して、集まって来る者は、若いマニアックな連中ばかり。
アングラと言うのが、昭和50年代に流行ましたが、こんな物かと。
ただ、この異常感覚から今までに無い短歌、俳句が出来たと思っております。
その時の関東は、未だ猛暑日から夜小雨に気持ち良く、傘を挿さずに地下鉄駅まで歩いて帰りました。
今は、漢詩モードに入っております。(笑)
のしてんてん
ライブ
http://blog.goo.ne.jp/nositen10/
私が今、自閑様を新鮮に感じているのは、自分の詠歌を洋画の巨匠たちに照らして観る感覚です。
こんな感性は初めてで^す^

新古今という和の根っこを、洋の鏡で見るというのは実に面白いと思います。

そして、こんなライブがあるというコトも、私には知らないことばかりで^す^

アンダーグランドを泳ぐ金魚。ふらつき回転するBOSEの震動
不似合ひといふ不安とビールの泡の夕べ。少しの雨がよい

この詠歌は、楽曲(洋かな?)と共にあるのかもしれませんね。

不似合には、少しの雨がよい。
この感傷は和のようにも思いますが、私の中にも強く感じるものがあります。

jikan314
Re:伝えるということ
のしてんてん様
コメントありがとう御座います。愚詠を評価頂き、赤面しております。
ライブには、二人が出ており、一人目の男性のロストボーイと言うタイトルで、歌詞が分からんかったが、雰囲気がとても良く、短歌が出来ましたが、切り絵を継ぎ足したマチスの様に、感情イメージを表す単語を付けたしました。
二人目は知り合いで、自由律俳句で単語のイメージをぶつけるちぎり絵型です。
彼女は、「レコード」を何度もリフレインして歌っていましたので、そこから物語性を持たせました。
レコードは傷付くと何度も同じ場所に戻ります。同居していた家を出て行く時に彼女は大切なレコードを投げて傷付く。その時の後悔、思い出が今も繰り返す。といったイメージです。
これらは、新古今的な物です。
定家の「春の夜の夢の浮き橋途絶えして」と言うものが有り、これだけで、読む者は源氏物語夢の浮橋もイメージしました。
実は、渋谷のライブハウスとかは苦手で?場違いそのものです。
その感情は、愚詠は
アンダーグランドを泳ぐ金魚。ふらつき回転するBOSEの震動
不似合ひといふ不安とビールの泡の夕べ。少しの雨がよい

又御来室頂ければ幸いです。
のしてんてん
伝えるということ
http://blog.goo.ne.jp/nositen10/
「言葉は響だ!心に思ひが染みてロストボーイじゃ無い。風が吹くよ。
スキャットは思ふことだけ傳はる
レコードはいつも同じ場所で繰り返す。あの日の傷の箇所で」

どこかで哀愁を感じますね。
感応して私から出てきたのしてんてん語訳ですが、いかがです^か^?↓

言葉は響きだ!意味はあとからついてくる。
想いの風が心だ。スキャットだ。
それなのに意味だけが傷つき同じ辛酸を舐める。

マチスの切り絵、私も同感です。

jikan314
Re:おはようございます
のしてんてん様
マチスの切り絵を見た時に、幼稚園児の切り絵に足りないから、継ぎ足ししていました。これは一般人には分からない。ましてやこれが1億円するという下衆な関心しか無い私には理解不能。
ダリやゴーギャンは、まだ理解しようとする者は居ても、マチスはいないだろう?と言うような短歌を目指しています。個性的と独善的の両方です。

先日のライブ愚詠
言葉は響だ!心に思ひが染みてロストボーイじゃ無い。風が吹くよ。
スキャットは思ふことだけ傳はる
レコードはいつも同じ場所で繰り返す。あの日の傷の箇所で
(マチスを通り越したミロ並みになったと…)
のしてんてん
おはようございます
http://blog.goo.ne.jp/nositen10/
マチスやルソー風の自由律短歌ってどんなのだろう。

興味ありますね。

とりあえず 紙切れのごと 手をつなぐ 乾燥肌に  なじむ歌ごえ(マチス)

この奥に 大人顔の子 わが姿 夢みしうまの 
黒くかれたる(ルソー)

みたいな・・・

冗談す^よ^

他社ブログ、よかったら紹介してください^ね^
jikan314
Re:感性を磨く
のしてんてん様
もっぱら愚詠ばかりですが、他社のblogに書いております。
自由律短歌なので、自称マチスやルソー風を目指しております。印象の幽玄の美を目指した新古今とは一見離れているようですが、読むたびに新しく思いますので、影響が強いです。
幸、短歌、俳句は万葉調を好む定型が主流なので、他者とは違うものとなっており、独自性だけはと保とうと思う次第です。
又、御来室頂ければ幸です。
のしてんてん
感性を磨く
http://blog.goo.ne.jp/nositen10/
よく分かります。
というより、自閑様の研ぎ澄まされていく短歌をなんだかうらやましく思いました。

自分の絵をよくしたいと思って、いろいろ考えてみても、結局自分の感性をどう鋭くしていくのかに尽きますよね。

感性は自我を越えて宇宙とつながっている。だから不要の自我を捨てなければならない。
私がやっている五次元思考も、実はそんなところからきています。
とても親近感の持てるお話です。

自閑様の短歌を味わってみたい。強くそう思いました。
jikan314
Re:ただ尊敬いたします
のしてんてん様
御来室、コメントありがとうございます。
古典を読むのは、新古今を理解する為。
新古今を理解するのは、短歌を作る為です。
のしてんてん様の絵を見るのも、短歌の感性を磨く為。今日実は、渋谷で知り合いのライブを聞いて来ましたが、これも短歌の感性を磨く為です。
自分の感性だけでは、なまくらで切れなくなってしまう。常に磨かないと錆び付いてしまうと生意気にも思っております。
のしてんてん
ただ尊敬いたします
http://blog.goo.ne.jp/nositen10/
このような古書を読み解いて行かれるエネルギーに驚嘆いたします。

私にはとても深入り出来ない世界ですけれど、とても大切な研究だと思えます。

コメントだけでも残したく、意味のない感想だけを書かせていただきました。

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