家の八重桜を折らせて惟明親王のもとにつかはしける
式子内親王
八重
風より にほふ
さきに 軒端の桜
訪ふ人も うつろひぬ
がな
かへし
惟明親王
つらきかな
うつろふまでに
八重桜
とへとも
いはで
過ぐるこころは
読み:やえにほふのきばのさくらうつろひぬかぜよりさきにとうひともがな
意味:八重に大炊御門殿の軒端の桜が咲いて、盛が過ぎようとして散り始めています。風が花を散らす前にどなたか見に訪ねてくれると良いのですが。
作者:しきしないしんのう1149-1201年 しょくしないしんのうとも。後白河天皇の皇女 賀茂の齋院。藤原俊成に和歌を学ぶ。忍恋の情熱的な秀歌が多い。
参考歌:源氏物語若紫 宮人の行きて語らん山桜風より先に来ても見るべき
読み:つらきかなうつろふまでにやえざくらとへともいはですぐるこころは
意味:辛いですね。大炊御門殿の八重桜が散り始めるまでに私に来てくださいねと誘ってくれないとは。
作者:これあきらしんのう 1172-1221高倉天皇皇子 大炊御門宮、三宮と称する。
大炊御門殿跡(京都地方裁判所)八重紅枝垂桜
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