在原業平 伊勢物語
駿河なる宇津の山辺の
うつゝにもゆめにも
人にあわぬなりけり
伊勢物語 九段
行/\て、するがの国にいたりぬ。うつの山にいたりて、わがいらんとする道はいとくらふ、ほそきにつたかえではしげり、物心ぼそく、すゞろなるめを見る事とおもふに、すぎやうじやあひたり。かゝるみちへ、いかでかいまするといふをみれば、見し人成けり。京に其人の御もとにとて、ふみかきてつく
するがなるうつの山べのうつゝにもゆめにも人にあはぬなりけり
新古今和歌集巻第十 羇旅歌
駿河の國宇都の山に逢へる人につけて京にふみ遣はしける
在原業平朝臣
駿河なる宇都の山邊のうつつにも夢にも人に逢はぬなりけり
よみ:するがなるうつのやまべのうつつにもゆめにもひとにあわぬなりけり 隠
意味:遠い駿河の宇津の山に来て、現実でも夢でも貴方にお会いするなんて、難しいのは、貴方が薄情になったからでしょうか。
備考:伊勢物語 九段
静岡口
山中
峠眺望