新古今和歌集の部屋

歌論 無名抄 仮名筆

無名抄 仮名筆(序事)
古人云。
かなに物かくことは、哥の序は古今のかなの序を本とす。日記はおほかゞみのことざまをならふ。和哥のことばは伊勢物がたりならびに後撰の哥のことばをまなぶ。物がたりは源氏にすぎたる物なし。みなこれらをおもはへてかくべきなり。いづれも/\かまへてまなの詞をかゝじとするなり。心のおよぶ限りはいかにもやはらげかきて、ちからなき所をばかな[まな]にてかく。それにとりて、はねたるもじ、入声の文字のかきにくきなどをば、すててかくなり。
万葉集には新羅をばしらとかけり。
古今の序には喜撰をばきせとかく。これらみなその證也。ことばのかざりをもとめて對をこのむべからず。わづかによりくるところばかりをかくなり。對をしげくかきつれば真名にゝて、假名のほいにはあらず。これはわろき時の事也。彼の古今の序に、花になくうぐひす、水にすむかはづなどやうに、ゑさらぬ所ばかりをおのづからいろへたるがめでたき也。ことばのついでといふは、すがのねのながきよとも、こゆるぎのいそぎてとも、いそのかみふりぬるなどいふやうなることを、あるいはふるきをとり、あるいはめずらしくたくみなるやうにとりなすべし。 
勝命云。
かなに物かくことは、清輔いみじき上手也。なかにも、初度の影供の日記、いとをかしく書けり。花のもとには、はなのまら人きたり。かきのもとにかきのもとのゑいをかけたりとあるほどなど、ことにみゆ。かなのたいはかやうにかくべきぞ。 

コメント一覧

jikan314
Re:恥ずかしながら読み解けません^。^。
のしてんてん様
御来室有難う御座います。又二度も駄文を評価頂き恐縮する次第です。
自称歌人(笑)で有るので、新古今、源氏物語和歌を学び、歌論を知る必要が有るので、鴨長明他の歌論のテキスト化をしています。読むだけでは、頭には入らないので。(笑)
いわば、画家が名作の筆遣いまで学び取ろうと模写するのに似ています。
ピカソが、ミケランジェロを見て、青の時代を迎える様に、何か新しい感性が研ければと思っております。
又、貴blogにお邪魔し、自身の感性(心の方程式)を高めたいと思っております。
のしてんてん
恥ずかしながら読み解けません^。^。
http://blog.goo.ne.jp/nositen10/
行きつ戻りつして、20分ほどかかって最後まで行きましたが、理解できませんでした。

お恥ずかしい。

ところで、お礼に参りました。

「心の方程式」
このことばは、やはりこのような古語の研究のたまものなのでしょうね。

感服いたしました。

ありがとうございました。

それにしましても、このような古文に精通されて、いにしえの心と出逢えることに、驚嘆と尊敬を感じております。

どうかこれからもご教示いただけましたらこの上ない幸せです。

よろしくお願いいたします。
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