初秋風のたちて、世の中いとゞ物悲しく露けきさまさるに、いはんかたなくおぼしみだる ふるさとを別れぢにおふるくずの葉の秋はくれどもかへる世もなし 秋風の吹きうらかへすくずのはのうらみても猶うらめしきかな 平貞文 古今集 秋風になびきながらも葛の葉のうらめしくのみなどか見ゆらむ 叡覚法師 後拾遺集 葛の葉のうらみにかへる夢の世を忘れがたみの野べのあきかぜ 皇太后宮大夫俊成女 新古今