新古今和歌集の部屋

桐壺 浅茅生の宿

雲の上も泪にくるる秋の月いかで住むらむ浅茅生の宿

読み
くものうえもなみだにくるるあきのつきいかですむらむあさぢふのやど

詠人
桐壺帝

背景
桐壺更衣に死別して眠れない日々を過ごす桐壺帝は、月夜の宴を夜更けまで催している弘徽殿の女御の様子が聞こえて来て面白く無い。灯火の油が尽きようとしている時、更衣の実家の母と源氏事を思っての独詠。

意味
(雲の上)宮中でさえも涙で目が曇って見えなくなってしまう秋の月なのに、浅茅が茂る寂しい更衣の里の按察大納言北の方は、どの様にして住んで、澄む月を眺めているのだろうか。

技法
澄むと住むの掛詞。
雲、澄むは月の縁語。
本歌
九重の内だに明き月影に荒れたる宿を思ひやるかな 拾遺集 雑秋 善滋為政
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