新古今和歌集の部屋

新古今増抄 巻第一 藤原敦家 隣家尋梅 蔵書

一 かきねの梅をよみ侍ける   藤原ノ敦家ノ朝臣

故者本藏人頭。參儀兼經ー。母ハ中納言隆

家女 一首入。

一 あるじをば誰共わかず春はたゞ垣ねの梅を尋てぞみる

増抄云。詩の心なり。わかずとは分て吟味も

なくをしなべてと云義也。たゞとはよの事

なしにと也。梅さへあればとあんり。垣ねといふ

を居所なれば、人家と用たるべし。人家

をみてといへるにだづぬるこゝろあり。

 

 

頭注

朗詠遙ニ

見人家有花

則入不論貴賤

与親疎

 

※參儀兼經ー 參議兼經一男の誤字。

※朗詠
和漢朗詠集 花 尋春題諸家園林   白居易
遙見人家花便入不論貴賤与親疎
遙に人家を見て花あれば便ち入、貴賤と親疎とを論ぜず

和漢朗詠集 春8 元禄五年本 - 新古今和歌集の部屋

和漢朗詠集 春8 元禄五年本 - 新古今和歌集の部屋

あをやぎのまゆにこもれるい〔とな〕れば春のくるにぞ色まさりける兼輔花長讀花明上苑輕軒馳九陌之塵猿 叫空山斜月瑩千巖之路〔白〕池色溶〃藍染水花光熖〃火燒春白遙...

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ただし、北村季吟は八代集抄において、新撰朗詠集 春興 紀斉名を本文としている。

「新撰朗詠紀斉名至 無定家尋花而不問主 この心を用るにや」

 

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